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理由で解く 作業療法士

QO60A031 作業療法治療学

出典:第60回作業療法士国家試験(2025)午前 問31
問題
Parkinson病患者(Yahrの重症度分類ステージⅢ)のADL指導で最も適切なのはどれか。
選択肢
1 屋内はスリッパを履く。
2 毛足の長いカーペットを敷く。
3 髭剃りはカミソリを利用する。
4 スロープよりも階段を利用する。
5 屋外ではロフストランド杖を利用する。
解答
正解4(スロープよりも階段を利用する。)
解説

Parkinson病はすくみ足・小刻み歩行・突進現象が特徴。段差の縁は視覚的キューとなり、すくみ足を打開しやすい。転倒リスクを高める床・履物は避ける。

Parkinson病ではドパミン低下により無動・固縮・姿勢反射障害が生じ、すくみ足や突進現象で転倒しやすい。連続した平面(スロープ)はすくみ足や加速歩行を誘発しやすいのに対し、階段の一段一段の縁は視覚的キュー(visual cue)として働き、歩行の開始・継続を助けるため相対的に安全である。YahrステージⅢは姿勢反射障害が出現し軽度〜中等度の障害だが自立可能な時期で、転倒予防のための環境調整と、視覚・聴覚キューを活用した歩行指導が中心となる。

✗ 1. 誤り
屋内はスリッパを履く。
脱げやすく踵が固定されないスリッパは、すり足・すくみ足の患者で転倒を招く。かかとを覆う靴が望ましい
✗ 2. 誤り
毛足の長いカーペットを敷く。
毛足に足先が引っかかりすくみ・つまずきの原因となる。段差・敷物は除去するのが原則
✗ 3. 誤り
髭剃りはカミソリを利用する。
振戦や巧緻性低下があるためカミソリは受傷リスクが高い。電気シェーバーが安全
✓ 4. 正しい
スロープよりも階段を利用する。
段差の縁が視覚的キューとなりすくみ足を打開しやすく、突進を誘発しにくい
✗ 5. 誤り
屋外ではロフストランド杖を利用する。
ロフストランド杖は前腕支持の松葉杖類で上肢支持を要し、姿勢反射障害のあるParkinson病では突進時に対応しづらく適さない。必要なら歩行器等を検討
ポイント
  • すくみ足は視覚・聴覚キューで打開(段差の縁・床の線・メトロノーム)
  • スリッパ・長毛カーペット・敷物は転倒リスクで避ける
  • Yahrステージ Ⅲ=姿勢反射障害出現、日常生活は自立可能
比較表
Hoehn-Yahr重症度分類
ステージ特徴
一側性障害、機能障害は軽微
両側性障害、姿勢反射障害なし
姿勢反射障害出現、日常生活自立可能
高度障害、起立・歩行は介助なくかろうじて可能
車椅子・寝たきり、全介助
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