学習トップ理由で解く 作業療法士第12章 ▸ 実地 / QO59P002

理由で解く 作業療法士

QO59P002 作業療法治療学

出典:第59回作業療法士国家試験(2024)午後 問2
問題
65歳の女性。専業主婦。右利き。上肢の振戦のため心配した夫に伴われて来院した。Hoehn & Yahrの重症度分類ステージⅠ。入院後に内服投与が開始され、2週後退院となった。退院時に安静時振戦は消失したが、右下肢の固縮および右すり足を認めた。片脚立位で右が10秒、左が20秒。ADLは自立しているが、箸の使用と書字に時間がかかる。退院後のプログラム内容で適切でないのはどれか。
選択肢
1 散歩
2 太極拳
3 フレンケル体操
4 手内筋の伸張運動
5 床に置かれた物品の整理
解答
正解3(フレンケル体操)
解説

フレンケル体操は視覚代償を用いた協調運動訓練で、脊髄性・小脳性の運動失調(深部感覚障害)に用いる。Parkinson病の固縮・すくみ足には適応がない。

本例はHoehn & YahrステージIの軽症Parkinson病で、固縮・すり足(すくみ足)・巧緻動作の緩慢さが中心症状である。Parkinson病のリハでは、固縮・無動に対するストレッチ・大きな動作を意識した運動(LSVT BIG等)、リズム刺激(音楽・かけ声)や視覚的手がかりを利用した歩行、バランス訓練が有用である。散歩は全身持久性・歩行維持に、太極拳は重心移動とバランス改善のエビデンスがあり適応。手内筋の伸張は固縮による巧緻性低下・書字困難に、床の物品整理は前傾・重心移動を伴う実用的活動として妥当。一方フレンケル体操は、視覚で運動を制御・代償させて協調性を再学習させる訓練であり、深部感覚障害による運動失調(脊髄癆・多発ニューロパチー・小脳性失調)が適応で、失調のないParkinson病には合致しない。したがって適切でないのはフレンケル体操である。

✗ 1. 正しい
散歩
歩行・全身持久力の維持に有用で適切(適切)
✗ 2. 正しい
太極拳
緩徐な重心移動でバランス改善に有効、Parkinson病で推奨(適切)
✓ 3. 誤り
フレンケル体操
運動失調(深部感覚障害)に対する協調運動訓練で、本例には適応外(適切でない=正解)
✗ 4. 正しい
手内筋の伸張運動
固縮による巧緻動作・書字困難の改善に有用(適切)
✗ 5. 正しい
床に置かれた物品の整理
重心移動を伴う実用的活動で適切(適切)
ポイント
  • フレンケル体操=運動失調(深部感覚障害)への視覚代償協調訓練
  • Parkinson病は固縮・無動・すくみ足が中心、失調はない
  • Parkinsonにはリズム・視覚手がかり・大きな動作・バランス訓練が有効
  • 太極拳はParkinson病のバランス改善にエビデンスあり
比較表
運動失調とParkinson病の運動療法の違い
病態特徴代表的訓練
運動失調(深部感覚性)測定障害・協調障害フレンケル体操(視覚代償)
Parkinson病固縮・無動・すくみ足リズム歩行・大きな動作・太極拳・ストレッチ
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。

この問題をアプリで理由で解く 作業療法士
App Store入手