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理由で解く 作業療法士

QO59A013 作業療法評価学

出典:第59回作業療法士国家試験(2024)午前 問13
問題
35歳の男性。一人暮らし。銀行員。半年前に仕事のミスがあり、徐々に飲酒量が増えた。酒がなくなると深夜でも買いに出かけた。2週前より無断欠勤が続いており、上司が自宅を訪問すると泥酔していた。上司に伴われて精神科を受診し、作業療法が処方された。健康診断で肝機能障害を指摘されているが、これまでに禁酒の試みはない。現時点で観察される症状で誤っているのはどれか。
選択肢
1 渇望
2 抑制喪失
3 離脱症状
4 耐性の増大
5 負の強化への抵抗
解答
正解3(離脱症状)
解説

依存症候群の中核症状は渇望・抑制喪失・耐性増大・離脱症状・飲酒中心の生活。禁酒を試みていない本例で離脱症状は現時点で確認されない。

アルコール依存症候群はICDの診断ガイドラインで、強い渇望、飲酒行動の制御困難(抑制喪失)、耐性の増大、中止・減量時の離脱症状、飲酒中心の生活、有害な結果を知りつつ飲酒継続、で特徴づけられる。本例は飲酒量増大・入手行動・生活破綻・肝機能障害があり多くの中核症状を満たすが、『これまでに禁酒の試みはない』ため断酒に伴う離脱症状(振戦・発汗・不眠・けいれん・せん妄)は現時点で観察されていない。したがって『離脱症状』が現時点で観察される症状として誤りとなる。

✗ 1. 正しい
渇望
酒がなくなると深夜でも買いに出かける強い飲酒欲求=渇望が認められる(観察される・正しい記述)
✗ 2. 正しい
抑制喪失
無断欠勤や泥酔まで飲酒を制御できない=抑制喪失が認められる(観察される・正しい記述)
✓ 3. 誤り
離脱症状
禁酒を試みていないため断酒に伴う離脱症状は現時点で確認されない(誤=これが正答)
✗ 4. 正しい
耐性の増大
飲酒量が徐々に増えており耐性増大が示唆される(観察される・正しい記述)
✗ 5. 正しい
負の強化への抵抗
不快・退薬感を避けるため飲酒を続ける負の強化の形が読み取れ、依存の維持機制として矛盾しない(観察されうる)
ポイント
  • 依存症候群=渇望・抑制喪失・耐性増大・離脱・飲酒中心の生活
  • 離脱症状は断酒・減酒時に出現
  • 禁酒歴がなければ離脱は未確認
比較表
アルコール依存症候群の中核症状
症状内容
渇望強い飲酒欲求・強迫的飲酒
抑制喪失飲酒の開始・量・終了を制御できない
耐性の増大同じ効果に多くの量が必要になる
離脱症状断酒・減酒時の振戦・発汗・けいれん・せん妄
飲酒中心の生活他の関心より飲酒が優先される
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