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理由で解く 作業療法士

QO58P045 作業療法治療学

出典:第58回作業療法士国家試験(2023)午後 問45
問題
うつ病回復期前期の作業療法で最も適切なのはどれか。
選択肢
1 1回の活動は短時間にする。
2 リワークプログラムを導入する。
3 新しい生きがいを見出す援助をする。
4 再発予防について家族を交えて話し合う。
5 集団での心理教育プログラムへの参加を促す。
解答
正解5(集団での心理教育プログラムへの参加を促す。)
解説

回復期前期は活動性が回復し始める時期。負荷を軽くした短時間の活動から段階的に開始し、疲労・焦りに配慮する。生きがい探索・リワーク・再発予防は回復後期以降の課題。

うつ病の作業療法は病期に応じた段階づけが要点である。急性期は休養優先、回復期前期はエネルギーが戻り始めるが易疲労性・意欲変動が残り、無理な負荷はかえって症状を悪化させる。この時期は1回の活動を短時間・低負荷にし、成功体験を積みながら活動耐性を少しずつ広げるのが最も適切である。焦って新たな生きがい探索や職場復帰(リワーク)、再発予防の家族面談、集団プログラムへの参加を促すと、心理的負荷が大きく回復を妨げる恐れがある。これらは活動性と自己効力感が十分回復した回復期後期〜社会復帰準備期に導入すべき課題である。

✗ 1. 誤り
1回の活動は短時間にする。
短時間・低負荷でいつでも中断できる作業自体は回復期前期の基本配慮だが、要点は時間を一律に短く区切ることではなく、休憩をはさめて短時間で完成できる作業を選ぶ柔軟性にある。時間の一律制限は急性期寄りの発想でスケジュール強要にもなり得るため『最も適切』とはしない
✗ 2. 誤り
リワークプログラムを導入する。
リワークは復職を目的とした社会復帰期の介入で、回復期前期には時期尚早
✗ 3. 誤り
新しい生きがいを見出す援助をする。
価値・生きがいの再構築は社会復帰期の課題。前期に促すと負担・ストレスとなり抑うつを悪化させうる
✗ 4. 誤り
再発予防について家族を交えて話し合う。
再発予防や家族を含む心理教育は回復期後期〜社会復帰期の課題で、前期は現実感の回復が優先され時期尚早
✓ 5. 正しい
集団での心理教育プログラムへの参加を促す。
回復期前期は個別的関与から後期の集団活動へ橋渡しする時期であり、疾病理解・服薬継続・休息と活動のバランスを学ぶ集団心理教育への参加を促すことは、社会復帰期の課題である他肢より段階的に適切
ポイント
  • 回復期前期=短時間・低負荷の活動から段階的に
  • 易疲労性・意欲変動・焦りに配慮
  • リワーク・生きがい探索・再発予防は後期以降
  • 成功体験の積み重ねで活動耐性を拡大
比較表
うつ病の病期と作業療法
病期目標介入
急性期休養・保護刺激を減らし休息を確保
回復期前期活動再開の準備短時間・低負荷の個別活動
回復期後期活動範囲の拡大集団活動・心理教育・生きがい
社会復帰準備期職場復帰リワーク・再発予防・家族連携
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