学習トップ理由で解く 作業療法士第11章 ▸ 実地 / QO58P001

理由で解く 作業療法士

QO58P001 作業療法評価学

出典:第58回作業療法士国家試験(2023)午後 問1
問題
Danielsらの徒手筋力テスト(段階3)の対象者の体位で正しいのはどれか。2つ選べ。ただし、矢印は対象者の運動方向を示す。
図
選択肢
1 1
2 2
3 3
4 4
5 5
解答
正解1(1)、3(3)
解説

MMT段階3は「抗重力位で全可動域を自動運動できるが抵抗には抗せない」レベル。各筋の段階3標準肢位(体幹屈曲=背臥位で上肢を前方に伸ばす、肩甲骨内転・下方回旋=腹臥位で手を背に載せる菱形筋位)を押さえ、肩伸展は肩内旋位、手関節伸展は前腕回内位、縫工筋は座位という「抗重力かつ正しい肢位・回旋方向」かで判定するのがポイント。

Danielsらの徒手筋力テストの段階3は「重力に抗して全可動域を運動できるが、検者の抵抗には抗せない」レベルであり、対象者を必ず抗重力位に置いて全可動域の運動を確認する。したがって各筋の段階3の肢位は、重力が抵抗として最も働く方向へ運動できる姿勢に設定する必要がある。選択肢1(体幹屈曲=背臥位で上肢前方伸展位から起き上がる)と選択肢3(肩甲骨内転・下方回旋=腹臥位で手を背部に載せる菱形筋の肢位)は、いずれも段階3の標準的な抗重力肢位として正しい。一方、選択肢2は肩伸展を腹臥位・肩内旋位で行うべきところ図が肩外旋位、選択肢4は手関節伸展を前腕回内位で行うべきところ図が前腕中間位、選択肢5は縫工筋の段階3を座位で行うべきところ図が背臥位(段階0〜2の肢位)であり、いずれも肢位が誤っている。よって公式正答は1と3で整合する。

✓ 1. 正しい
1
背臥位・両膝伸展位で、上肢を前方に伸ばして起き上がる肢位。これが段階3の標準肢位(段階5は後頭部で手を組む、段階4は胸の前で腕を組む)。正しい肢位
✗ 2. 誤り
2
正しくは腹臥位・肩関節内旋(手掌を上に向ける)で運動させるが、設問の図は肩関節外旋位で示されているため不適切
✓ 3. 正しい
3
肩甲骨内転・下方回旋(菱形筋):腹臥位で肩関節を内旋・内転し、肘を屈曲して手を背部に載せた肢位で行う。正しい肢位
✗ 4. 誤り
4
正しくは肘屈曲・前腕回内位で前腕を検査台に乗せて行うが、設問の図は前腕中間位で示されているため不適切
✗ 5. 誤り
5
股関節屈曲・外転・外旋+膝屈曲(縫工筋):段階3は座位で行う。設問の図は背臥位で示されており、これは重力を除いた段階0〜2の肢位に相当するため段階3としては不適切
ポイント
  • 段階3=抵抗なし・重力に抗して全可動域を完了
  • 段階3の検査肢位は必ず抗重力位
  • 段階2以下は除重力位で評価
比較表
DanielsらMMTの段階と肢位
段階定義検査肢位
5最大抵抗に抗して全可動域抗重力位+最大抵抗
4中等度抵抗に抗して全可動域抗重力位+中等度抵抗
3抵抗なし、重力に抗し全可動域抗重力位
2重力を除けば全可動域除重力位
1筋収縮を触知(関節運動なし)除重力位
0筋収縮なし
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