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理由で解く 作業療法士

QO58A015 作業療法治療学

出典:第58回作業療法士国家試験(2023)午前 問15
問題
19歳の女性。大学生。1か月前から通学途中の電車の中で突然、強い不快感を覚え、大量の汗をかき、呼吸困難となり、このままでは死んでしまうのではないかと恐怖心を抱くようになった。次第に電車に乗れなくなり、通学ができなくなった。母親と精神科クリニックを受診して、外来作業療法が処方された。この患者の発作時に予想される症状はどれか。2つ選べ。
選択肢
1 健忘
2 昏迷
3 振戦
4 せん妄
5 動悸
解答
正解3(振戦)、5(動悸)
解説

突然の強い不安発作+発汗・呼吸困難・死の恐怖+予期不安による回避(電車)はパニック障害。発作時は自律神経症状として動悸・発汗・振戦・呼吸困難などが出現する。

誘因なく突然生じる強い不安・恐怖の発作に、発汗・呼吸困難・「死んでしまうのではないか」という死の恐怖を伴い、その後電車を避けるようになった(広場恐怖・予期不安)経過はパニック障害の典型である。パニック発作は交感神経が急激に亢進する自律神経症状を主体とし、動悸・心悸亢進、発汗、身震い・振戦、息切れ・窒息感、胸痛、めまい、異常感覚などが数分でピークに達する。したがって発作時に予想される症状は振戦と動悸である。健忘・昏迷・せん妄は意識や意識野の障害であり、意識清明で発作を鮮明に体験するパニック発作の特徴とは異なる。

✗ 1. 誤り
健忘
記憶の障害であり、意識清明で発作を体験するパニック発作には合致しない
✗ 2. 誤り
昏迷
意識はあるが反応が乏しくなる状態で、緊張病やうつでみられ本病態と異なる
✓ 3. 正しい
振戦
交感神経亢進による身震い・ふるえで、パニック発作の代表的症状
✗ 4. 誤り
せん妄
軽度の意識混濁と精神運動興奮で、意識障害を伴わないパニック発作と異なる
✓ 5. 正しい
動悸
心悸亢進はパニック発作で最も典型的な自律神経症状
ポイント
  • パニック発作=突然の強い不安+自律神経症状
  • 動悸・発汗・振戦・呼吸困難・死の恐怖
  • 回避行動・予期不安・広場恐怖を伴う
比較表
パニック発作でみられる/みられない症状
症状パニック発作
動悸・発汗・振戦みられる(自律神経症状)
呼吸困難・死の恐怖みられる
健忘・昏迷・せん妄みられない(意識は清明)
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