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理由で解く 作業療法士

QO58A005 作業療法評価学

出典:第58回作業療法士国家試験(2023)午前 問5
問題
42歳の女性。最近、手の震え、歩行時のふらつきがひどくなり、神経内科を受診した。精査の結果、脊髄小脳変性症と診断された。頭部MRIを図に示す。頭部MRIの画像で正しいのはどれか。
図
選択肢
1
2
3
4
5
解答
正解4(4)
解説

脊髄小脳変性症の頭部MRIでは、小脳の脳溝(小脳葉間の裂)が広がる小脳萎縮がみられる。5枚のうちこの所見を示すのは4である。

脊髄小脳変性症は小脳(病型によっては脳幹や脊髄も)が変性・萎縮する疾患群で、手の震えや歩行時のふらつきといった小脳性運動失調を主症状とする。頭部MRIの軸位像では、小脳半球と虫部の裂(脳溝)が開大して小脳葉が細く目立ち、第四脳室や小脳周囲のくも膜下腔が相対的に広く見えるのが典型である。4はまさに小脳の裂が開大し小脳葉が線状に細く描出されており、小脳萎縮として矛盾がない。1と2は同じ橋・小脳レベルの像だが小脳の脳溝は狭いままで、萎縮も明らかな異常信号もない。3は小脳虫部から右小脳半球にかけて境界のやや不明瞭な高信号を示す腫瘤様病変で、変性による萎縮とは異なる。5は右小脳半球に境界明瞭な強い高信号があり、出血や梗塞などの局所病変を示唆する。3と5のような局所病変は経過も画像も本症の萎縮とは別物である。したがって正しいのは4。

✗ 1. 誤り
小脳の脳溝は狭く萎縮はない。異常信号もなく本症の所見に乏しい。
✗ 2. 誤り
橋・小脳とも萎縮を認めず、脊髄小脳変性症を示す画像ではない。
✗ 3. 誤り
小脳虫部〜右半球の高信号腫瘤で、変性による萎縮ではなく局所病変。
✓ 4. 正しい
小脳の裂が開大し小脳葉が細く目立つ萎縮像で、脊髄小脳変性症に合致。
✗ 5. 誤り
右小脳半球に境界明瞭な強い高信号。出血・梗塞などの急性局所病変。
ポイント
  • 脊髄小脳変性症=小脳性運動失調(失調歩行・企図振戦)
  • MRIで小脳萎縮・小脳溝や第四脳室の拡大
  • OPCA/MSAでは橋萎縮・hot cross bun sign
比較表
小脳失調をきたす画像所見の比較
疾患MRIの特徴
皮質性小脳萎縮症小脳(虫部優位)の萎縮
オリーブ橋小脳萎縮症(MSA-C)橋・中小脳脚・小脳の萎縮、hot cross bun sign
正常小脳萎縮なし
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