学習トップ理由で解く 作業療法士第12章 ▸ 実地 / QO57P020

理由で解く 作業療法士

QO57P020 作業療法治療学

出典:第57回作業療法士国家試験(2022)午後 問20
問題
33歳の男性。ミュージシャンを志していたが、21歳時に統合失調症を発症し、2回の入院歴がある。3か月前から就労移行支援事業所への通所を開始し、支援によってコンサートホールの照明係のアルバイトに就いた。就労移行支援事業所のスタッフは、定期的に職場訪問を実施して本人と雇用主の関係調整を行っており、主治医やケースワーカーとも連携して支援活動をしている。この患者に行われているプログラムはどれか。
選択肢
1 CBT〈Cognitive Behavioral Therapy〉
2 IPS
3 NEAR
4 SST
5 WRAP
解答
正解2(IPS)
解説

『まず一般就労に就いてから継続的に支援する(place-then-train)』、職場訪問による本人・雇用主の関係調整、医療との連携という特徴はIPS(Individual Placement and Support)そのもの。

本例は、訓練を経てから就職するのではなく先に一般就労(照明係のアルバイト)に就き、その後も定期的な職場訪問で本人と雇用主の関係を調整し、主治医やケースワーカーなど医療・保健と密に連携して支援を続けている。これは援助付き雇用の代表的モデルであるIPS(Individual Placement and Support)の中核的特徴(place-then-trainの迅速な就職、本人の希望重視、医療チームとの統合、継続的・無期限の職場定着支援)に合致する。CBTは認知行動療法、NEARは認知機能改善のためのプログラム、SSTは社会生活技能訓練、WRAPは元気回復行動プランで、いずれも就労そのものへの現場密着支援モデルではない。

✗ 1. 誤り
CBT〈Cognitive Behavioral Therapy〉
認知の歪みを扱う心理療法で、現場での就労支援モデルではない
✓ 2. 正しい
IPS
先に一般就労し職場訪問で雇用主と調整・医療連携する援助付き雇用モデルに合致
✗ 3. 誤り
NEAR
認知機能の改善を図る認知矯正プログラムで就労現場支援ではない
✗ 4. 誤り
SST
社会生活技能訓練で対人技能を練習するもので就労配置モデルではない
✗ 5. 誤り
WRAP
本人が主体的に作る元気回復行動プランで就労支援モデルではない
ポイント
  • IPS=援助付き雇用、place-then-train(まず就職→定着支援)
  • 職場訪問で本人と雇用主の関係を調整
  • 医療チームとの統合的連携が特徴
  • SST・CBT・NEAR・WRAPとの役割の違いを整理
  • SST=Social Skills Training。認知行動療法を基盤に、ロールプレイと肯定的フィードバックで対人技能を練習する集団療法として行われることが多い
  • NEAR=Neuropsychological Educational Approach to Cognitive Remediation。記憶・注意・段取りの改善を狙うパソコン課題中心の認知矯正
比較表
精神科リハの主なプログラム
略語内容
IPS援助付き雇用(一般就労+継続的職場定着支援)
CBT認知行動療法(認知の歪みへの介入)
NEAR認知機能改善プログラム(認知矯正)
SST社会生活技能訓練(対人技能の練習)
WRAP元気回復行動プラン(自己管理・リカバリー)
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。

この問題をアプリで理由で解く 作業療法士
App Store入手