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理由で解く 作業療法士

QO57P018 作業療法治療学

出典:第57回作業療法士国家試験(2022)午後 問18
問題
19歳の男性。てんかん及び軽度知的障害(IQ60)。特別支援学校卒業後にクリーニング店に就職した。「接客態度が悪い」と注意されたことをきっかけに仕事に行けなくなり、引きこもりとなった。時々家族に暴力を振るうために、家族が主治医に相談して外来作業療法が処方された。本人、家族とも復職を希望している。この患者に対して優先すべき対応はどれか。
選択肢
1 暴力の内省を促す。
2 対人技能の訓練を行う。
3 注意力を高める作業を行う。
4 てんかんの疾病教育を行う。
5 運動能力を高めるためのスポーツ活動を行う。
解答
正解2(対人技能の訓練を行う。)
解説

「接客態度」という対人場面のつまずきが引きこもり・暴力の起点であり、本人・家族とも復職を希望する。対人技能訓練(SST)で職場適応力を高めるのが最優先。

この症例では「接客態度が悪い」と注意されたことが仕事を続けられなくなった直接の契機であり、対人コミュニケーションの困難が中核課題である。復職を希望していることも踏まえると、接客・職場での適切な対人行動を身につける対人技能訓練(SST)が最も優先度が高い。家族への暴力も対人的なストレス対処の乏しさの表れであり、対人技能の向上は暴力の軽減にも寄与しうる。内省を促すことは軽度知的障害では負担が大きく効果が乏しく、注意力訓練・疾病教育・スポーツはいずれも復職に直結する対人課題より優先度は下がる。

✗ 1. 誤り
暴力の内省を促す。
軽度知的障害では抽象的な内省は負担が大きく、根本の対人課題に届かない
✓ 2. 正しい
対人技能の訓練を行う。
接客でのつまずきが起点で復職も希望、SSTが最優先
✗ 3. 誤り
注意力を高める作業を行う。
本例の主課題は注意力でなく対人技能で優先度が低い
✗ 4. 誤り
てんかんの疾病教育を行う。
必要だが復職に直結する対人課題より優先度は下がる
✗ 5. 誤り
運動能力を高めるためのスポーツ活動を行う。
運動能力は主訴と関係が薄く優先度が低い
ポイント
  • つまずきの契機=『接客態度』=対人技能の問題
  • 復職希望に直結する対人技能訓練(SST)を優先
  • 対人技能向上は暴力の軽減にも寄与
  • 軽度知的障害では抽象的な内省は負担が大きい
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