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理由で解く 作業療法士

QO57P009 作業療法治療学

出典:第57回作業療法士国家試験(2022)午後 問9
問題
13歳の男子。現在、Duchenne型筋ジストロフィーのステージ6(厚生省筋萎縮症研究班の機能障害度分類による。)。学校生活を送る上で優先的に行う支援はどれか。
選択肢
1 歩行器の導入
2 給食の食形態変更
3 長下肢装具の導入
4 電動車椅子の導入
5 トイレの手すり設置
解答
正解4(電動車椅子の導入)
解説

厚生省筋萎縮症研究班の機能障害度分類ステージ6は、四つ這いもできずいざり這いのみ可能な時期。歩行はすでに失われており、学校生活では移動手段の確保が最優先になる。

Duchenne型筋ジストロフィーの機能障害度分類(厚生省筋萎縮症研究班)では、ステージ4までは歩行が可能、ステージ5で起立・歩行が不能となり四つ這いが可能、ステージ6は四つ這いも不能でいざり這いのみ可能、ステージ7で座位保持のみ、ステージ8で常時臥床となる。本例のステージ6はすでに歩行が失われ、下肢だけでなく体幹・上肢の筋力低下も進行している段階である。学校生活では教室間の移動や特別教室への参加など移動距離が長く、手動車椅子の自走では疲労が大きくて授業や友人との活動への参加が制限されてしまう。そのため、わずかな力で操作でき移動の自立と活動参加を保てる電動車椅子の導入が最も優先度の高い支援となる(選択肢4)。歩行器や長下肢装具は起立・歩行がまだ残るステージ4〜5に用いるもので、歩行が失われた本例には適さない。給食の食形態変更は嚥下障害が問題になるステージ7〜8以降に検討する課題であり、現時点の優先事項ではない。トイレの手すり設置も有用ではあるが、まず移動手段を確保することの優先度には及ばない。

✗ 1. 誤り
歩行器の導入
歩行が残る時期に用いる。歩行不能のステージ6では適応にならない
✗ 2. 誤り
給食の食形態変更
嚥下障害が問題化するのはより後期。ステージ6の現時点では優先度が低い
✗ 3. 誤り
長下肢装具の導入
起立・歩行の延長を図る時期の装具で、四つ這いも困難な本例には不適
✓ 4. 正しい
電動車椅子の導入
少ない力で長距離を移動でき、学校での移動自立と活動参加を保てる最優先の支援
✗ 5. 誤り
トイレの手すり設置
有用だが、まず移動手段を確保する電動車椅子より優先度は低い
ポイント
  • ステージ6=四つ這い不能・いざり這いのみ可能(歩行はすでに不能)
  • 体幹・上肢の筋力低下で手動車椅子の自走は疲労が大きい
  • 電動車椅子で移動の自立と学校生活への参加を維持
比較表
DMD 機能障害度と支援の対応
時期主な支援
歩行可能期装具・歩行補助での歩行維持
歩行不能・車椅子期(ステージ7前後)電動車椅子での移動自立
ベッド中心期呼吸・嚥下管理、環境制御装置
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