学習トップ理由で解く 作業療法士第13章 ▸ 実地 / QO57P008

理由で解く 作業療法士

QO57P008 地域作業療法学

出典:第57回作業療法士国家試験(2022)午後 問8
問題
28歳の女性。頸髄損傷(第6頸髄節まで機能残存)。車椅子とベッド間の移乗は前・後方移動で自立し、ADLは自助具や環境整備で自立の見込みを得た。住宅改修を図に示す。正しいのはどれか。2つ選べ。
図
選択肢
1 ①の廊下幅は歩行者とのすれ違いのために140cmにした。
2 ②のポーチの幅は車椅子を回転させるために100cmにした。
3 ③の廊下と居室の開口部通過の幅は90cmにした。
4 ④のシャワーフックの位置の高さは150cmにした。
5 ⑤の屋外スロープの勾配は1/4にした。
解答
正解1(①の廊下幅は歩行者とのすれ違いのために140cmにした。)、3(③の廊下と居室の開口部通過の幅は90cmにした。)
解説

車椅子生活を前提にした住宅改修の寸法問題。廊下のすれ違い幅140cmと開口部の通過幅90cmは適切だが、回転スペース・シャワーフックの高さ・スロープ勾配は基準を外れている。

図は改修後の住まいを真上から見た平面図で、①廊下の幅、②玄関前ポーチの奥行き、③廊下と居室の開口部の通過幅、④浴室のシャワーフックの高さ、⑤屋外スロープの5か所が計測点として示されている。第6頸髄節まで機能残存の頸髄損傷者は車椅子を自走するため、各寸法が車椅子使用の目安を満たすかどうかで判断する。①車椅子と歩行者がすれ違うには120〜140cm程度の幅が必要で、140cmは適切である(正しい)。③居室出入口は車椅子が通るのに有効幅80cm以上が必要で、余裕をみた90cmは適切である(正しい)。②車椅子がその場で方向転換するには直径約150cmの円が入るスペースが要るため、100cmでは回りきれない(誤り)。④シャワーフックは車椅子やシャワーチェアに座った姿勢で手が届く100〜120cm程度が適切で、150cmでは高すぎて自分で外せない(誤り)。⑤屋外スロープの勾配は1/12〜1/15以下が推奨され、1/4は自走はもちろん介助でも転落の危険がある急勾配である(誤り)。よって正しいのは1と3である。

✓ 1. 正しい
①の廊下幅は歩行者とのすれ違いのために140cmにした。
図①は廊下の幅。車椅子と歩行者がすれ違うには140cm程度が必要で、適切な寸法
✗ 2. 誤り
②のポーチの幅は車椅子を回転させるために100cmにした。
図②はポーチの奥行き。車椅子の方向転換には直径約150cmが必要で100cmでは不足
✓ 3. 正しい
③の廊下と居室の開口部通過の幅は90cmにした。
図③は居室出入口の通過幅。車椅子の通過には有効80cm以上が必要で90cmは適切
✗ 4. 誤り
④のシャワーフックの位置の高さは150cmにした。
座位で手が届く100〜120cm程度が適切。150cmでは高すぎて自分で扱えない
✗ 5. 誤り
⑤の屋外スロープの勾配は1/4にした。
屋外スロープは1/12〜1/15以下が推奨。1/4は転落の危険がある急勾配
ポイント
  • 車椅子すれ違い廊下=約140cm
  • 通過開口部=有効幅80〜90cm
  • 回転スペース=直径約150cm、屋外スロープ=1/12〜1/15以下
比較表
車椅子生活の住環境寸法の目安
項目目安
すれ違い廊下幅約140cm
開口部(通過)有効80〜90cm
回転スペース直径約150cm
屋外スロープ勾配1/12〜1/15以下
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