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理由で解く 作業療法士

QO57P003 作業療法評価学

出典:第57回作業療法士国家試験(2022)午後 問3
問題
60歳の男性。脳血管障害による右片麻痺。ベッドから車椅子への移乗は1人で何とか可能である。ベッドから車椅子への移乗場面の初回評価において、ベッド、車椅子および作業療法士の相対的な位置関係で適切なのはどれか。
図
選択肢
1 1
2 2
3 3
4 4
5 5
解答
正解1(1)
解説

片麻痺の車椅子移乗は「健側(非麻痺側)に車椅子をベッドに対し約20〜45°で、体幹近く(足側でなく)に置く」「健側下肢を軸に最小限の方向転換で座らせる」「療法士は対象者と車椅子の間=崩れても即支えられる位置に立つ」が原則。車椅子を麻痺側や足側に置く、療法士が車椅子の後方に立つ配置は不適。

右片麻痺のため、対象者は健側(非麻痺側=左)を軸に動くのが安全で、移乗も健側方向へ行うのが原則。図はいずれも仰臥位・頭部右向きで、対象者の右(麻痺側)=図の上側、左(非麻痺側)=図の下側に相当する。したがって車椅子を下側に置く図1〜3は「非麻痺側配置」で原則に合致し、上側に置く図4・5は麻痺側配置で不適切。図4・5では麻痺側へ起き上がり方向転換することになり、麻痺側下肢が軸足となって著しく不安定・転倒リスクが高い。残る図1〜3のうち、図2は車椅子が対象者の足側に寄っており、起立時に車椅子をまたぐ動作が必要になるため不良。図3は配置は妥当だが作業療法士が車椅子の後方(対象者の反対側)に立っており、初回評価で常に必要な転倒リスク管理として「崩れたら即支える」対応ができない。図1のみ、車椅子を非麻痺側に約20〜45°の適切な角度で対象者の体幹近くに置き、作業療法士が対象者と車椅子の間に立ってすぐ支えられる位置にあり、公式正答[1]と一致する。

✓ 1. 正しい
1
車椅子=非麻痺側(下側)・ベッドに対し約20〜45°・作業療法士は対象者と車椅子の間:健側下肢を軸に最小限の方向転換で座れ、崩れても即座に支えられる最適配置
✗ 2. 誤り
2
起立・移乗時に車椅子をまたぐ必要が生じ不安定になる
✗ 3. 誤り
3
車椅子=非麻痺側で配置は妥当だが作業療法士が車椅子の後方(対象者と反対側)にいる:移乗中にバランスを崩しても即座に支えられない
✗ 4. 誤り
4
車椅子=麻痺側(上側)に配置:麻痺側へ起き上がり・方向転換することになり、麻痺側下肢が軸足となって不安定・危険
✗ 5. 誤り
5
車椅子=麻痺側(上側)に配置(療法士も麻痺側寄り):4と同様に麻痺側への移乗となり不適切
ポイント
  • 移乗は健側(右片麻痺なら左)を軸に回旋する
  • 車椅子は健側前方に20〜30度で設置
  • 初回評価では療法士は患側を保護できる位置に立つ
比較表
片麻痺の移乗介助の原則
項目原則
車椅子の位置健側前方に20〜30度
回旋の軸健側下肢
療法士の位置患側を保護できる前方
リスク患側の膝折れ・後方転倒
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