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理由で解く 作業療法士

QO57A009 作業療法評価学

出典:第57回作業療法士国家試験(2022)午前 問9
問題
41歳の男性。右手で腕相撲中に骨折した。直後の単純エックス線写真を図に示す。最も合併しやすいのはどれか。
図
選択肢
1 猿手
2 書痙
3 鷲手
4 下垂手
5 肩手症候群
解答
正解4(下垂手)
解説

上腕骨骨幹部(中下1/3)のらせん骨折は橈骨神経溝を走る橈骨神経を損傷しやすく、下垂手を合併する。

画像は肘関節・上腕骨遠位部の側面単純エックス線写真で、上腕骨遠位骨幹部(中下1/3付近)に斜め〜らせん状の骨折線が認められる。腕相撲による受傷は、この上腕骨骨幹部のらせん骨折を生じやすい典型的機序である。橈骨神経は上腕骨後面の橈骨神経溝をこのレベルで後外側へ螺旋状に走行するため、骨折や骨片の転位に伴って牽引・圧迫・断裂を受けやすい。橈骨神経麻痺では手関節および手指(MP関節)の伸展が不能となり、手が垂れ下がる下垂手を呈する。以上より、本骨折で最も合併しやすいのは下垂手であり、公式正答[4]と画像所見は整合する。

✗ 1. 誤り
猿手
正中神経麻痺で母指球萎縮により生じる。橈骨神経溝を走る神経を巻き込む本画像の上腕骨骨幹部骨折とは損傷部位が異なる
✗ 2. 誤り
書痙
手を使う際の局所性ジストニアであり、末梢神経損傷ではなく骨折の合併症ではない
✗ 3. 誤り
鷲手
尺骨神経麻痺で生じる。上腕骨遠位骨幹部(橈骨神経溝レベル)の骨折で典型的に障害される神経ではない
✓ 4. 正しい
下垂手
橈骨神経麻痺で生じる。画像に写る上腕骨骨幹部(中下1/3)の橈骨神経溝を橈骨神経が走行するため、このらせん/斜骨折で最も損傷されやすく、手関節・手指伸展が不能となり下垂手を呈する
✗ 5. 誤り
肩手症候群
CRPSであり、本骨折で最も合併しやすい直接的な神経麻痺ではない
ポイント
  • 腕相撲骨折=上腕骨骨幹部の螺旋骨折
  • 橈骨神経溝を走る橈骨神経が合併損傷しやすい
  • 橈骨神経麻痺=下垂手(手関節・手指伸展不能)
比較表
上肢末梢神経麻痺と変形
神経変形主な障害
橈骨神経下垂手手関節・手指伸展不能
正中神経猿手母指対立不能
尺骨神経鷲手MP過伸展・IP屈曲
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