学習トップ理由で解く 作業療法士第12章 ▸ 実地 / QO57A005

理由で解く 作業療法士

QO57A005 作業療法治療学

出典:第57回作業療法士国家試験(2022)午前 問5
問題
13歳の男子。1か月前から膝の疼痛が生じ、近医を受診。精査が必要となり大学病院へ紹介された。左大腿骨遠位に境界不明瞭な腫瘤を触れる。単純エックス線写真を図に示す。化学療法が始まり、リハビリテーション治療が処方された。リハビリテーション治療について正しいのはどれか。
図
選択肢
1 易感染性に注意する。
2 積極的に患部のマッサージを行う。
3 患側の運動負荷は健側と同様でよい。
4 骨端線に近い病巣なので温熱療法が効果的である。
5 健側のリハビリテーション治療は化学療法後から行う。
解答
正解1(易感染性に注意する。)
解説

大腿骨遠位の骨肉腫では、化学療法中の骨髄抑制による易感染性に最大限注意し、患部への刺激(マッサージ・温熱・過負荷)は避ける。

X線では大腿骨遠位骨幹端に境界不明瞭な骨破壊・骨形成が混在する病変を認め、13歳という好発年齢と大腿骨遠位という好発部位から骨肉腫が強く疑われる。治療は術前化学療法が中心となる。この状況でのリハビリテーション治療で最も重要なのは、化学療法に伴う骨髄抑制による易感染性への配慮である(正答1)。一方、患部への直接的刺激となるマッサージ(2)、悪性腫瘍部への温熱療法(4)、病的骨折リスクを無視した患側への健側同様の運動負荷(3)はいずれも禁忌ないし不適切である。また健側や全身の廃用予防のためのリハは化学療法中から早期に開始すべきで、化学療法後まで待つ必要はない(5は誤り)。

✓ 1. 正しい
易感染性に注意する。
X線が示す悪性骨腫瘍(骨肉腫)に対し化学療法が行われ、骨髄抑制により白血球が減少して易感染性となるため、感染予防に注意する
✗ 2. 誤り
積極的に患部のマッサージを行う。
図の大腿骨遠位腫瘍病変部へのマッサージは、疼痛・病的骨折・腫瘍への悪影響のため禁忌である
✗ 3. 誤り
患側の運動負荷は健側と同様でよい。
腫瘍による骨破壊で患側大腿骨は病的骨折の危険が高く、患側の運動負荷は健側と同様にはできず制限が必要
✗ 4. 誤り
骨端線に近い病巣なので温熱療法が効果的である。
骨端線付近の病巣であっても悪性腫瘍部への温熱は禁忌であり、温熱療法は適応とならない
✗ 5. 誤り
健側のリハビリテーション治療は化学療法後から行う。
健側・全身の廃用予防を目的としたリハは化学療法中から早期に開始すべきである
ポイント
  • 10代・大腿骨遠位・境界不明瞭な骨破壊=骨肉腫
  • 化学療法中は骨髄抑制で易感染性→感染管理が最優先
  • 患部への温熱・マッサージ・過負荷は禁忌(腫瘍進展・病的骨折)
比較表
骨肉腫リハのリスク管理
項目対応
化学療法中易感染性に注意(骨髄抑制)
患部への物理療法温熱・マッサージは禁忌
患側の運動負荷病的骨折予防のため制限
健側・全身廃用予防で早期から実施
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。

この問題をアプリで理由で解く 作業療法士
App Store入手