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理由で解く 作業療法士

QO57A004 作業療法治療学

出典:第57回作業療法士国家試験(2022)午前 問4
問題
9歳の男児。痙直型四肢麻痺の脳性麻痺。頭部保持は可能で、座位保持は両手の支持が必要である。立位は介助があればわずかにできる。この児が机上で道具の操作を練習する際に両手を使用するための姿勢として最も難しいのはどれか。
選択肢
1 車椅子で体幹ベルトを用いた座位
2 床上で両肘を机上に置いた長座位
3 床上で両肘を机上に置いた割り座
4 座位保持装置を使用した座位
5 立位台を使用した立位
解答
正解2(床上で両肘を机上に置いた長座位)
解説

座位保持に両手支持を要する児では、体幹を外的に支持しない姿勢が最も不安定。長座位はハムストリングス短縮で骨盤後傾を招き、上肢を支持に取られて両手を自由に使えない。

本児は座位保持に両手の支持が必要なレベルで、体幹の抗重力保持が不十分である。両手で道具を操作するには、上肢を支持から解放できるよう体幹を外的に安定させる必要がある。車椅子(体幹ベルト)、座位保持装置、立位台はいずれも体幹を機械的に支持・固定するため、上肢を支持に使わずに済み両手が使いやすい。割り座(トンビ座り)は支持基底面が広く骨盤が安定しやすい。これに対し長座位は、痙直型脳性麻痺で高頻度に生じるハムストリングス短縮のため骨盤が後傾し体幹が後方に崩れやすく、上肢を後方支持に取られて両手を机上で自由に使うことができない。したがって最も難しいのは『床上で両肘を机上に置いた長座位』(選択肢2)である。外的支持の有無と、下肢筋緊張・短縮が座位安定性に及ぼす影響を判断根拠にする問題である。

✗ 1. 誤り
車椅子で体幹ベルトを用いた座位
体幹を外的に固定でき両手が使える(比較的容易)
✓ 2. 正しい
床上で両肘を机上に置いた長座位
ハムストリングス短縮で骨盤後傾・体幹後方崩れ、上肢を支持に取られ最も難しい
✗ 3. 誤り
床上で両肘を机上に置いた割り座
支持基底面が広く骨盤が安定しやすい(比較的容易)
✗ 4. 誤り
座位保持装置を使用した座位
体幹を支持でき両手操作に適する(容易)
✗ 5. 誤り
立位台を使用した立位
体幹・下肢を固定でき両手が解放される(容易)
ポイント
  • 両手動作には体幹の外的支持で上肢を支持から解放する
  • 痙直型CPの長座位はハムストリングス短縮→骨盤後傾で不安定
  • 車椅子・座位保持装置・立位台は体幹固定に有利
比較表
姿勢と両手使用のしやすさ
姿勢体幹支持両手動作
長座位(肘支持)外的支持なし・骨盤後傾困難(最も難しい)
割り座広い支持基底面比較的可能
座位保持装置・車椅子体幹を機械支持容易
立位台体幹下肢を固定容易
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