学習トップ理由で解く 作業療法士第12章 ▸ 一般 / QO56A042

理由で解く 作業療法士

QO56A042 作業療法治療学

出典:第56回作業療法士国家試験(2021)午前 問42
問題
うつ病患者に行った訓練を表に示す。あてはまる訓練法はどれか。(表:状況=職場の同僚に仕事を頼まれたが他の仕事もあったので断った/気分=不安80%・情けない90%・ゆううつ70%/自動思考=嫌われたかもしれない・こなせない自分は落ちこぼれだ/根拠・反証・適応的思考を挙げ/今の気分=不安40%・情けない30%・ゆううつ30%に軽減)
図
選択肢
1 コラム法
2 自己教示法
3 行動活性化法
4 ポジティブ日誌
5 アサーショントレーニング
解答
正解1(コラム法)
解説

コラム法(思考記録表)は「状況→気分の数値化→自動思考→根拠・反証→適応的思考→気分の再評価」の欄構成が特徴で、これらのキーワードが表に並んでいれば認知再構成を狙うコラム法と判断できる。うつ病の認知行動療法の代表技法として押さえる。

提示された表は認知行動療法(認知療法)の中核技法である「コラム法(思考記録表・7つのコラム)」である。(1)状況=同僚に頼まれた仕事を断った、(2)気分=不安80%・情けない90%・ゆううつ70%と感情を数値化、(3)自動思考=「嫌われたかもしれない」「こなせない自分は落ちこぼれだ」を書き出し、(4)その自動思考を支持する根拠と(5)反証(矛盾する事実)を対比し、(6)よりバランスの取れた適応的思考を導き、(7)最後に気分を不安40%・情けない30%・ゆううつ30%へと再評価する——という一連の流れは、極端・非機能的な認知(自動思考)を現実的でバランスの良い考えに修正する認知再構成そのものであり、正答は選択肢1のコラム法となる。他の選択肢は、自己教示法(自分への言葉かけによる自己制御)、行動活性化法(活動量を増やして気分を改善する行動的技法)、ポジティブ日誌(良かった出来事を書き留める技法)、アサーショントレーニング(自他尊重の自己表現の練習)で、いずれも「自動思考の根拠・反証を検討し適応的思考を導く表」を用いる技法ではない。

✓ 1. 正しい
コラム法
状況→気分(%)→自動思考→根拠・反証→適応的思考→気分の再評価(%)の順に記入し不快感情を軽減する認知再構成法(認知行動療法)で、設問の表そのもの
✗ 2. 誤り
自己教示法
不安・恐怖が生じた際に「大丈夫」「落ち着こう」等の言葉を声や心の中で自分にかけて行動を制御する技法で、思考記録表を用いる設問とは異なる
✗ 3. 誤り
行動活性化法
回避的になった患者に活動(快・達成感を伴う行動)を計画的に増やさせ気分改善を図る行動的技法で、認知の書き出し表は使わない
✗ 4. 誤り
ポジティブ日誌
その日の良かった出来事・肯定的側面を毎日書き出す技法で、根拠・反証・適応的思考を検証する欄はない
✗ 5. 誤り
アサーショントレーニング
自分も相手も尊重した適切な自己表現(例:無理な依頼を上手に断る)を練習する技法で、認知再構成の表とは目的が異なる
ポイント
  • コラム法=思考記録表による認知再構成(Beckの認知療法)
  • 状況・気分・自動思考・根拠・反証・適応的思考の欄構成が目印
  • 自動思考の歪みを検証しバランス思考へ置換
比較表
うつ病でよく用いる技法の比較
技法主な働きかけ
コラム法自動思考を根拠・反証で検証し認知再構成
行動活性化法活動量を増やし気分を改善
自己教示法自分への言葉かけで行動調整
ポジティブ日誌良い出来事を記録し肯定的注意を育成
アサーション適切な自己主張スキルの訓練
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