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理由で解く 作業療法士

QO56A019 作業療法治療学

出典:第56回作業療法士国家試験(2021)午前 問19
問題
22歳の男性。職場でケアレスミスがあまりにも多いため、産業医の勧めで精神科を受診した。母親の話によると、幼少時から落ち着きがなく、小学校の担任から「人の話を聞いていない」、「順番を守れない」、「隣の子にちょっかいを出す」などと注意されたことがあり、大学でも提出物の締め切りを守れないなどといった問題から成績は悪かった。この患者に薬物療法を行う場合、最も適切と思われる向精神薬はどれか。
選択肢
1 気分安定薬
2 抗うつ薬
3 抗精神病薬
4 抗不安薬
5 精神刺激薬
解答
正解5(精神刺激薬)
解説

幼少期からの不注意・多動・衝動性が持続するADHD。第一選択の薬物は精神刺激薬(メチルフェニデート徐放剤等)。

幼少時からの落ち着きのなさ、話を聞けない、順番を待てない、忘れ物・締め切り不履行、ケアレスミスの多さは、不注意・多動・衝動性を主徴とする注意欠如・多動症(ADHD)を示す。ADHDの薬物療法では、中枢刺激薬であるメチルフェニデート徐放剤(コンサータ)が代表的で、ドパミン・ノルアドレナリン系を賦活し不注意・多動を改善する。非刺激薬のアトモキセチンやグアンファシンも用いられるが、選択肢の中で最も適切なのは精神刺激薬である。他の向精神薬はADHDの中核症状に対する第一選択とはならない。

✗ 1. 誤り
気分安定薬
双極性障害やてんかんに用い、ADHDの中核症状の治療薬ではない
✗ 2. 誤り
抗うつ薬
うつ病・不安障害に用いる。ADHD自体の第一選択ではない
✗ 3. 誤り
抗精神病薬
統合失調症や強い興奮・攻撃性に用い、ADHDの中核症状への第一選択ではない
✗ 4. 誤り
抗不安薬
不安症状の軽減に用い、ADHDの不注意・多動を改善する薬ではない
✓ 5. 正しい
精神刺激薬
メチルフェニデート徐放剤などがADHDの第一選択で、不注意・多動・衝動性を改善する
ポイント
  • ADHDの薬物療法第一選択=精神刺激薬(メチルフェニデート徐放剤)
  • 非刺激薬:アトモキセチン・グアンファシン
  • 中核症状=不注意・多動・衝動性
  • 幼少期からの持続が診断の手がかり
比較表
向精神薬の主な適応
薬剤主な適応
精神刺激薬ADHD
気分安定薬双極性障害
抗うつ薬うつ病・不安障害
抗精神病薬統合失調症
抗不安薬不安障害
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