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理由で解く 作業療法士

QO56A012 作業療法評価学

出典:第56回作業療法士国家試験(2021)午前 問12
問題
78歳の女性。布団を持ち上げようとした際、背部から腹部への強い帯状痛を生じ、寝返りも困難となったため入院となった。入院時のエックス線写真〈図A〉とMRI T2強調像〈図B〉とを図に示す。この患者の病態で適切なのはどれか。2つ選べ。
図
選択肢
1 骨粗鬆症
2 脊椎分離症
3 脊柱管狭窄症
4 椎間板ヘルニア
5 脊椎椎体圧迫骨折
解答
正解1(骨粗鬆症)、5(脊椎椎体圧迫骨折)
解説

高齢女性の軽微外力による帯状背部痛+X線の骨透亮性亢進・椎体楔状変形とMRI T2椎体内高信号は、骨粗鬆症を基盤とした新鮮椎体圧迫骨折を示す。

78歳女性が重い布団を持ち上げた際に背部から腹部への帯状痛と寝返り困難を生じた病歴は、骨脆弱性を背景とした椎体圧迫骨折の典型像である。X線正面像では椎体の骨梁が粗く縦方向に目立ち額縁状を呈し、骨透亮性が亢進しており骨粗鬆症を示す。側面像とMRI T2強調像では胸腰椎の椎体が楔状につぶれ後弯を来し、MRIでは骨折椎体内に骨髄浮腫を示す高信号がみられ、新鮮な椎体圧迫骨折と判断できる。一方、脊柱管や脊髄は保たれ、椎間板ヘルニア・脊柱管狭窄・脊椎分離症を示す所見は認めない。したがって本患者の病態は骨粗鬆症と脊椎椎体圧迫骨折の2つである。

✓ 1. 正しい
骨粗鬆症
X線正面像で椎体骨梁の粗大化・縦走化と額縁状椎体、全体の骨透亮性亢進を認め、78歳女性の全身性骨密度低下に合致
✗ 2. 誤り
脊椎分離症
関節突起間部(pars)の骨欠損・椎体すべりは画像に描出されず、本例の病態ではない
✗ 3. 誤り
脊柱管狭窄症
MRI T2で脊柱管・脊髄は保たれ、狭窄による脊髄/馬尾圧迫の所見はない
✗ 4. 誤り
椎間板ヘルニア
MRIで椎間板の後方膨隆・脊髄圧迫はなく、髄核脱出所見を認めない
✓ 5. 正しい
脊椎椎体圧迫骨折
側面X線・MRIで椎体前方高が減じた楔状変形、MRI T2で椎体内高信号(骨髄浮腫)を認め、布団挙上で発症した新鮮圧迫骨折に合致
ポイント
  • 高齢女性+軽微外力+急性背部帯状痛=脆弱性椎体圧迫骨折
  • 骨粗鬆症が基礎病態、圧迫骨折がその結果
  • エックス線で椎体楔状変形、MRIで骨髄浮腫(新鮮骨折)
  • 体動時痛・寝返り困難が特徴
比較表
急性・慢性の脊椎疾患の鑑別
疾患特徴
椎体圧迫骨折急性背部痛・体動困難、椎体楔状化
脊椎分離症若年・関節突起間部の疲労骨折
脊柱管狭窄症間欠性跛行・下肢しびれ(慢性)
椎間板ヘルニア下肢放散痛・神経根症状
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