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理由で解く 作業療法士

QO55A006 作業療法評価学

出典:第55回作業療法士国家試験(2020)午前 問6
問題
30歳の男性。頸髄損傷完全麻痺(第6頸髄まで機能残存)。上腕三頭筋の筋力検査を行う場面を図に示す。代償運動が出現しないように作業療法士が最も抑制すべき運動はどれか。
図
選択肢
1 体幹屈曲
2 肩関節屈曲
3 肩関節外転
4 肩関節外旋
5 前腕回内
解答
正解4(肩関節外旋)
解説

C6完全麻痺で三頭筋を検査する際、肩90度挙上位での肩関節外旋は重力で前腕を下垂させ肘伸展を偽装するため、これを抑制する。

図は、患者の肩を約90度挙上・肘屈曲位に保持し、肘関節伸展(上腕三頭筋)の徒手筋力検査を行う場面である。第6頸髄まで機能残存の頸髄損傷完全麻痺では、上腕三頭筋(C7支配)が麻痺している。この肢位で肩関節を外旋させると前腕が重力によって下垂し、あたかも肘関節が自動伸展したように見える代償(トリック)動作が生じる。三頭筋の真の筋力を評価するには、この肩関節外旋による代償を検査者が抑制する必要がある。体幹屈曲・肩屈曲・肩外転・前腕回内はいずれも肘伸展の代償にはならないため、抑制すべき運動は肩関節外旋である。

✗ 1. 誤り
体幹屈曲
図の患者体幹は直立位で、体幹前傾は肘伸展の代償として現れにくく、本検査で主に抑制すべき運動ではない
✗ 2. 誤り
肩関節屈曲
図の肩は既に挙上位にあり、肩屈曲は肘関節伸展の直接的な代償運動ではない
✗ 3. 誤り
肩関節外転
肩を外転させても、図の検査肢位で肘伸展を代償する動きにはならない
✓ 4. 正しい
肩関節外旋
図の肩約90度挙上・肘屈曲位で肩を外旋させると前腕が重力で下垂し、肘が伸展したように見える。上腕三頭筋(C7支配)が麻痺したC6完全麻痺例が用いる代表的トリック動作であり、検査者が最も抑制すべき代償運動
✗ 5. 誤り
前腕回内
前腕回内は肘関節伸展の代償とはならず、抑制対象ではない
ポイント
  • 上腕三頭筋の主支配はC7
  • C6残存では三頭筋麻痺→肩外旋+重力で肘伸展を代償
  • MMTでは代償運動を排して純粋な筋力を評価
比較表
頸髄残存高位と主な残存筋
高位新たに使える主な筋
C5三角筋・上腕二頭筋(肘屈曲)
C6橈側手根伸筋(手関節背屈)・回内筋
C7上腕三頭筋(肘伸展)・手指伸筋
C8深指屈筋(手指屈曲)
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