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理由で解く 作業療法士

QO54P019 作業療法治療学

出典:第54回作業療法士国家試験(2019)午後 問19
問題
7歳の男児。几帳面なところがある。小学校に入学して数か月後から肩をすくめる、まばたきをすることが目立ってきた。最近、授業中に顔しかめや首ふりなども激しくなり、担任の先生から注意されることが増えた。友達と遊んでいるときや眠っているときは起こらない。悩んだ母親が本人を連れて来院、チック障害と診断され作業療法の導入となった。作業療法士の対応で適切なのはどれか。
選択肢
1 本人に困っていることを聞く。
2 本人にチックが起こるときの状況を尋ねる。
3 チックを起さないよう努力するように本人に言う。
4 緊張に慣れる目的で最前列に座らせるよう担任の先生に依頼する。
5 クラスメートに障害のことは知らせずにおくよう担任の先生に依頼する。
解答
正解1(本人に困っていることを聞く。)
解説

チックは意図的に抑えられず、抑制を求めたり注目させると悪化しやすい。まず本人が困っていることを共感的に聞き、支持的関係と環境調整を図る。

チック障害(トゥレット症を含む)は、緊張・注目・叱責で増悪し、リラックスや集中時に軽減する不随意運動で、本人の意思では止められない。したがって「起こさないよう努力させる」ことは症状増悪と自己否定感を招き禁忌に近い。まず「本人が困っていること」を共感的に聞き、支持的関係を築いて心理的負担を軽減することが対応の第一歩として最も適切。チックが起こる状況を尋ねる(選択肢2)は症状への注目を高めうるため優先度が低い。最前列に座らせて緊張場面にさらす(4)は増悪要因を増やし、周囲に知らせず理解を得ないでおく(5)は誤解・叱責が続き不適切。周囲の適切な理解と非注目的対応こそ環境調整の要点である。

✓ 1. 正しい
本人に困っていることを聞く。
支持的関係を築き心理的負担を軽減する最適の対応
✗ 2. 誤り
本人にチックが起こるときの状況を尋ねる。
症状への注目を高めうるため優先度が低い
✗ 3. 誤り
チックを起さないよう努力するように本人に言う。
意図的抑制は不可能で増悪・自責を招く
✗ 4. 誤り
緊張に慣れる目的で最前列に座らせるよう担任の先生に依頼する。
緊張・注目場面を増やし悪化させる
✗ 5. 誤り
クラスメートに障害のことは知らせずにおくよう担任の先生に依頼する。
周囲の理解が得られず誤解・叱責が続く
ポイント
  • チックは意図的に止められない・緊張と注目で増悪
  • 抑制を求めず本人の困りごとを共感的に聴く
  • 周囲の正しい理解と非注目的対応が環境調整
比較表
チック障害の増悪・軽減因子
因子内容
増悪緊張・不安・注目・叱責
軽減リラックス・遊びや作業への集中・睡眠
対応支持的関係・環境調整・非注目
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