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理由で解く 作業療法士

QO54P010 作業療法治療学

出典:第54回作業療法士国家試験(2019)午後 問10
問題
頸髄損傷完全麻痺者(第6頸髄節まで機能残存)が肘での体重支持を練習している図を示す。この練習の目的動作はどれか。
図
選択肢
1 導尿カテーテル操作
2 ベッド上での移動
3 足上げ動作
4 上着の着脱
5 寝返り
解答
正解2(ベッド上での移動)
解説

C6残存者は上腕三頭筋が使えず肘伸展でのプッシュアップができないため、肘(前腕)での体重支持を練習し、これをベッド上での移動の基礎とする。

図は、上半身裸の男性がベッド上で長座位に近い姿勢をとり、左前腕・肘をマットレスに着いて上体を支持している線画である(肘での体重支持)。右手はベッド面に置かれ手指が伸びきらない形で描かれ、頸髄損傷に伴う手指機能低下を示唆する。第6頸髄節(C6)まで機能残存の完全麻痺者では、手関節背屈(橈側手根伸筋)は使えるが上腕三頭筋(C7)が働かないため、肘を伸展位に保っての通常のプッシュアップができない。そこで、肘・前腕で体重を支持して上体を起こし、支持点を変えながら重心を移動させる技術が重要となる。これはベッド上での移動(体位変換・尻ずらし・寝返りや起き上がりへの展開)の基礎動作であり、図の練習の目的動作は『ベッド上での移動』である。導尿・上着着脱・足上げ・寝返りといった動作は、いずれも肘での体重支持そのものを直接の目的とする図とは一致しない。

✗ 1. 誤り
導尿カテーテル操作
図は肘での体重支持を示すのみで、手指の巧緻動作は描かれていない。C6残存では手指の随意運動が乏しく(図でも右手指は伸びきらない)、肘支持練習の目的動作ではない
✓ 2. 正しい
ベッド上での移動
図が示す肘(前腕)での体重支持そのもの。上腕三頭筋(C7)が働かず肘伸展でのプッシュアップができないC6残存者にとって、肘・前腕で体重を支えて上体を起こし重心を移す動作は、ベッド上での移動(押し引き・尻ずらし)の基礎となる
✗ 3. 誤り
足上げ動作
図に下肢挙上の要素はなく、C6残存では下肢の随意運動もない。上肢(肘)支持を示す図とは無関係
✗ 4. 誤り
上着の着脱
図は衣服の着脱ではなく肘での体重支持を示す。着脱の手の操作は描かれておらず、この練習の直接の目的動作ではない
✗ 5. 誤り
寝返り
図は長座位で肘を着いて上体を支える静的な体重支持であり、側方への回旋動作は描かれていない
ポイント
  • C6完全麻痺:手関節背屈は可、手指随意運動なし、体幹・下肢麻痺
  • 肘・前腕での体重支持が上肢での身体移動の基盤
  • ベッド上移動・プッシュアップ・除圧に直結
  • 下肢動作は随意運動を要し目的にならない
比較表
頸髄損傷レベルと残存機能・動作の目安
残存レベル主な残存筋獲得しやすい動作
C5三角筋・上腕二頭筋肘屈曲・肩の運動
C6橈側手根伸筋(手関節背屈)肘支持でのベッド上移動・プッシュアップ
C7上腕三頭筋肘伸展・移乗・プッシュアップ自立
C8手指屈筋把持動作・巧緻動作
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