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理由で解く 作業療法士

QO54P009 作業療法治療学

出典:第54回作業療法士国家試験(2019)午後 問9
問題
38歳の女性。32歳時に四肢脱力が出現、多発性硬化症の診断を受け寛解と増悪を繰り返している。2週前に痙縮を伴う上肢の麻痺にて入院。大量ステロイドによるパルス療法を行った。この時点での痙縮の治療手段で正しいのはどれか。
選択肢
1 TENS
2 超音波療法
3 赤外線療法
4 ホットパック
5 パラフィン療法
解答
正解1(TENS)
解説

多発性硬化症は温熱で神経症状が悪化する(Uhthoff現象)ため、温熱療法は避ける。非温熱で痙縮抑制効果のあるTENS(経皮的電気神経刺激)が適切である。

多発性硬化症では、体温や組織温の上昇により脱髄した神経の伝導がさらに障害され、一過性に症状が悪化するUhthoff現象が知られる。このため超音波・赤外線・ホットパック・パラフィンといった温熱を加える物理療法は症状増悪のリスクがあり避けるべきである。一方TENS(経皮的電気神経刺激)は温熱を伴わず、感覚入力を介して痙縮の抑制や疼痛緩和が期待できるため、この患者の痙縮治療手段として適切である。したがって正答はTENS。温熱系の4つはいずれもMSでは相対的禁忌ないし不適である。

✓ 1. 正しい
TENS
非温熱で痙縮抑制・疼痛緩和が期待でき、MSでも用いやすい
✗ 2. 誤り
超音波療法
深部温熱でUhthoff現象による症状増悪の恐れ
✗ 3. 誤り
赤外線療法
表在温熱で体温上昇を招き不適
✗ 4. 誤り
ホットパック
温熱により症状増悪の恐れ
✗ 5. 誤り
パラフィン療法
温熱療法でありMSでは避ける
ポイント
  • MSは温熱で症状増悪(Uhthoff現象)
  • 温熱療法(超音波・赤外線・ホットパック・パラフィン)は避ける
  • TENSは非温熱で痙縮抑制に有用
  • 体温・組織温の上昇を避ける管理が重要
比較表
多発性硬化症と物理療法の可否
治療手段性質MSでの適否
TENS電気刺激(非温熱)
超音波療法深部温熱不適
赤外線療法表在温熱不適
ホットパック表在温熱不適
パラフィン療法表在温熱不適
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