学習トップ / 理由で解く 作業療法士 / 第12章 ▸ 実地 / QO54A018
理由で解く 作業療法士
心理的葛藤(介護・単身赴任)を背景に身体症状が生じる身体表現性(転換性)障害。症状の否定や心因の直面化、安易な約束は治療関係を損なう。導入期はまず受容的に傾聴し、チームで一貫した対応をとる。
本症例は、ストレス状況(義母の介護、夫の単身赴任)に一致して器質的異常のない身体症状(視力障害、下肢の冷感・疼痛)が出現しており、身体表現性障害(転換性障害/身体症状症)が考えられる。患者は身体症状にとらわれ疾病利得も背景にあるため、症状を頭ごなしに否定したり「心の問題」と直面化を迫ると防衛が強まり治療関係が破綻する。また「他科受診」や「痛みが消える」といった実現保証のない約束は不適切で、後の信頼を損なう。導入期に最も適切なのは、本人の訴えを否定も肯定もせず受容的に聴き(聞き役に徹し)、多職種スタッフ間で発言・方針を統一して一貫した関わりを保つことである。心理的側面(夫の単身赴任の感情)への直接的な問いかけも、信頼関係ができる前の初回訪問では時期尚早である。
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