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理由で解く 作業療法士

QO54A015 作業療法評価学

出典:第54回作業療法士国家試験(2019)午前 問15
問題
32歳の男性。通勤途中に突然激しい動悸や息苦しさ、めまいとともに、このまま死んでしまうのではないかという強い不安に襲われた。これらの症状は数分で消失したが、その後もたびたび同様の状況に陥った。また同じような強い不安に襲われるのではないかという恐れから、列車や飛行機の1人での利用ができなくなっている。考えられるのはどれか。2つ選べ。
選択肢
1 適応障害
2 広場恐怖
3 社交恐怖
4 パニック障害
5 急性ストレス反応
解答
正解2(広場恐怖)、4(パニック障害)
解説

突然の動悸・呼吸困難・死への恐怖が数分で反復=パニック発作(パニック障害)。発作を恐れて逃げられない状況(列車・飛行機)を避ける=広場恐怖。両者はしばしば併存する。

本症例は、誘因なく突然生じる動悸・息苦しさ・めまい・「死んでしまうのではないか」という強烈な不安(パニック発作)が数分で消退し、以後反復している。これはパニック障害の典型像である。さらに「また発作が起きるのでは」という予期不安から、逃げ場のない・助けを得にくい状況(列車や飛行機の単独利用)を回避しており、これは広場恐怖の定義に合致する。パニック障害と広場恐怖は臨床的に高頻度で併存する。したがって考えられるのはパニック障害と広場恐怖の2つである。

✗ 1. 誤り
適応障害
明確なストレス因への反応として3か月以内に生じる情緒・行動障害。反復するパニック発作は説明できない
✓ 2. 正しい
広場恐怖
逃げ場のない状況(列車・飛行機の単独利用)を回避しており合致
✗ 3. 誤り
社交恐怖
他者に注目・評価される場面への恐怖。本症例の回避は対人評価ではなく発作への恐れ
✓ 4. 正しい
パニック障害
突然の身体症状と死の恐怖を伴う発作が反復し合致
✗ 5. 誤り
急性ストレス反応
強い外傷的出来事の直後に生じ数日〜4週で軽快。反復パニックの病像と異なる
ポイント
  • パニック発作=突然の動悸・呼吸困難・死の恐怖が数分でピーク
  • 予期不安から逃げ場のない状況を回避=広場恐怖
  • パニック障害と広場恐怖は高率に併存する
  • 社交恐怖は対人評価場面への恐怖で回避対象が異なる
比較表
不安・ストレス関連症の鑑別
疾患特徴
パニック障害予期しない反復するパニック発作+予期不安
広場恐怖逃げ場のない状況の回避(乗物・雑踏・外出)
社交恐怖注目・評価される社交場面への恐怖
適応障害特定ストレス因への反応(3か月以内)
急性ストレス反応強い外傷体験直後、数日〜4週で軽快
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