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理由で解く 作業療法士

QO54A013 作業療法評価学

出典:第54回作業療法士国家試験(2019)午前 問13
問題
76歳の男性。誰もいないのに「自分の布団に知らない子どもが寝ている」と訴え、妻に連れられて受診した。妻の話では、数年前から些細な物忘れが増え、日中ぼう然としていることも多いという。歩行中に転倒することも増えてきているという。作業療法室でみられるこの患者の特徴はどれか。
選択肢
1 些細なことで泣き出す。
2 他人の物を勝手に持っていこうとする。
3 時間どおりに来室し必ず同じ席に座る。
4 わからない質問に対し言い繕って答える。
5 日によって意識レベルの低下度合いが異なる。
解答
正解5(日によって意識レベルの低下度合いが異なる。)
解説

具体的な人物の幻視、認知の変動、パーキンソニズム(転倒)を伴う認知症はレビー小体型認知症。中核症状の一つ「認知機能の変動」が日ごとの意識レベルの動揺として現れる。

「知らない子どもが寝ている」という具体的で生々しい幻視、数年来の記憶障害、日中のぼう然(覚醒レベルの変動)、転倒の増加(パーキンソニズム・易転倒性)は、レビー小体型認知症(DLB)の臨床像に合致する。DLBの中核的特徴は①具体的な内容の反復する幻視、②認知機能の変動、③パーキンソニズム、④レム睡眠行動異常症であり、本症例は①②③を満たす。作業療法場面では、日や時間帯によって注意・覚醒・反応性が大きく変動する(良い時と傾眠・ぼう然とする時の差が大きい)ことが特徴として観察される。この変動性を踏まえ、覚醒の良い時間帯に活動を設定し、転倒・幻視への配慮を行う。

✗ 1. 誤り
些細なことで泣き出す。
感情失禁は脳血管性認知症で目立つ所見でDLBの特徴ではない
✗ 2. 誤り
他人の物を勝手に持っていこうとする。
脱抑制・我が道を行く行動は前頭側頭型認知症の特徴
✗ 3. 誤り
時間どおりに来室し必ず同じ席に座る。
常同行動・時刻表的生活は前頭側頭型認知症の特徴
✗ 4. 誤り
わからない質問に対し言い繕って答える。
わからない質問に言い繕って答える(取り繕い):アルツハイマー型認知症で典型的
✓ 5. 正しい
日によって意識レベルの低下度合いが異なる。
認知機能の変動=DLBの中核症状
ポイント
  • DLBの中核=具体的な幻視・認知の変動・パーキンソニズム・レム睡眠行動異常症
  • 認知の変動は覚醒レベル・注意の動揺として観察される
  • 取り繕い=アルツハイマー型、感情失禁=血管性、脱抑制/常同=前頭側頭型
比較表
認知症の鑑別的特徴
病型特徴的所見
レビー小体型具体的幻視・認知の変動・パーキンソニズム・転倒
アルツハイマー型近時記憶障害・取り繕い・見当識障害
脳血管性まだら認知症・感情失禁・段階的悪化
前頭側頭型脱抑制・常同行動・時刻表的生活・我が道を行く
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