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理由で解く 作業療法士

QO53P012 作業療法治療学

出典:第53回作業療法士国家試験(2018)午後 問12
問題
48歳の男性。脳梗塞後の右片麻痺。発症から5か月経過。Brunnstrom法ステージは上肢、下肢ともにIII。T字杖で屋内歩行は自立しているが、疲労しやすく、すぐに椅子に腰掛ける。遠近感が分かりづらく、平地でつまずくことがある。自宅退院に向けた浴室の環境整備案を図に示す。設置する手すりとして必要でないのはどれか。
図
選択肢
1 ①入口縦手すり
2 ②バスボード手すり
3 ③縦手すり
4 ④浴槽横手すり
5 ⑤洗い場横手すり
解答
正解5(⑤洗い場横手すり)
解説

浴室手すりは「縦手すり=立ち座り・またぎなど上下方向の動作」「横手すり=姿勢保持・立位移動の支持」と役割で使い分ける。片麻痺で疲れやすく座って洗体する症例では、洗い場を伝い歩く前提の洗い場横手すりの優先度は低く、出入り口・浴槽またぎ・浴槽内立ち座りを支える手すりを優先する。

48歳男性、脳梗塞後の右片麻痺。発症5か月、Brunnstromステージは上肢・下肢ともにⅢで随伴的な運動が残る中等度麻痺。T字杖で屋内歩行は自立するが疲労しやすく、遠近感が分かりづらく平地でもつまずく。浴室では、①出入り口での立位・またぎ、②③浴槽縁をまたいでバスボードへ移乗、④浴槽内での立ち座り、といった上下方向の力と姿勢保持を要する動作が続くため、①〜④の手すりはいずれも転倒予防に必要である(縦手すりは立ち座り・またぎなど上下動作、横手すりは姿勢保持・引き起こしに機能する)。一方、⑤洗い場の横手すりは、洗い場を立って伝い歩く/立位で洗体する人向けの支持であるが、本症例は「疲労しやすくすぐ椅子に腰掛ける」ためシャワーチェアに座って洗体するのが自然で、洗い場での連続した立位移動を前提としない。したがって⑤洗い場横手すりは他の4本に比べ必要性が低く、設置する手すりとして「必要でない」ものにあたる。公式正答は⑤で、明日へブログの解説とも一致する。

✗ 1. 正しい
①入口縦手すり
浴室の出入り(段差またぎ・立位バランス保持)を支える。右片麻痺でBrsⅢ、遠近感低下で平地でもつまずく本症例には出入り口の縦手すりが要る
✗ 2. 正しい
②バスボード手すり
バスボードへの移乗や浴槽縁をまたぐ際に体を引き寄せ支える。片麻痺のまたぎ動作に不可欠なため必要
✗ 3. 正しい
③縦手すり
浴槽出入り・立ち座りなど上下方向の力を支える縦手すり。またぎ前後の姿勢安定に有用で必要
✗ 4. 正しい
④浴槽横手すり
浴槽内で座位から立ち上がる/沈み込みを制御する際に押し引きして使う。片麻痺の入浴動作に必要
✓ 5. 誤り
⑤洗い場横手すり
疲れやすくすぐ椅子に腰掛ける本症例はシャワーチェアに座って洗体するため、洗い場を伝い歩く前提の横手すりは不要
ポイント
  • 浴室手すりは出入口・立ち座り・またぎの局面ごとに設置
  • 縦手すりは立ち座り・段差、横手すりはまたぎ動作に有効
  • 片麻痺は非麻痺側で把持できる位置が原則
比較表
手すりの向きと適した動作
手すりの向き適した動作
縦手すり立ち座り・段差昇降・方向転換
横手すり浴槽のまたぎ・移乗の横移動
L字手すり立ち座りとまたぎの両局面
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