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理由で解く 作業療法士

QO53P013 作業療法治療学

出典:第53回作業療法士国家試験(2018)午後 問13
問題
38歳の女性。性格は几帳面、完全主義。仕事仲間との関係性に悩んでいた。そうした中、浮腫を自覚したため内科を受診したところネフローゼ症候群と診断され、副腎皮質ステロイド薬の投与が開始された。投薬開始1か月後から蛋白尿は消失したが、「何事にも興味が湧かない」などの言葉が聞かれるようになり、趣味のコーラスもやめてしまった。今後検討すべき治療方針として、最も優先順位が高いのはどれか。
選択肢
1 家族療法
2 音楽療法
3 精神分析療法
4 抗うつ薬による薬物療法
5 副腎皮質ステロイド薬の調整
解答
正解5(副腎皮質ステロイド薬の調整)
解説

ステロイド投与後に生じた抑うつ症状はステロイド精神障害を疑い、まず原因薬剤の調整を検討する。

本症例はステロイド投与開始後に「何事にも興味が湧かない」という意欲低下・興味喪失(抑うつ症状)が出現している。副腎皮質ステロイド薬は精神症状(抑うつ・躁・不眠・せん妄など)を高頻度で引き起こす代表的薬剤であり、この経過はステロイド精神障害(薬剤性の抑うつ)が強く疑われる。薬剤性であれば原因薬剤の減量・変更が根本的対応となるため、まず主治医と連携してステロイドの調整を検討することが最優先である。抗うつ薬や各種心理療法は原因薬剤への対処を差し置いて先行させるものではない。

✗ 1. 誤り
家族療法
家族関係が主因ではなく優先度は低い
✗ 2. 誤り
音楽療法
症状緩和の一助にはなるが原因への対処ではない
✗ 3. 誤り
精神分析療法
薬剤性の抑うつに対する第一選択ではない
✗ 4. 誤り
抗うつ薬による薬物療法
原因薬剤の調整より優先されない
✓ 5. 正しい
副腎皮質ステロイド薬の調整
原因薬剤への対処で最優先
ポイント
  • ステロイドは抑うつ・躁・せん妄など精神症状を惹起
  • 薬剤性精神障害はまず原因薬剤の調整を検討
  • 投与開始後の時間的関連が診断の手がかり
比較表
ステロイドによる主な精神症状
症状特徴
抑うつ意欲低下・興味喪失(本症例)
躁状態多幸・活動性亢進
不眠投与早期に多い
せん妄・精神病症状高用量で出現しうる
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