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理由で解く 作業療法士

QO53P007 作業療法評価学

出典:第53回作業療法士国家試験(2018)午後 問7
問題
20歳の男性。頸髄完全損傷。手指屈曲拘縮以外の関節可動域制限はない。食事の際のフォークの把持と口元へのリーチの場面を図に示す。この動作が獲得できる頸髄損傷患者のZancolliの四肢麻痺上肢機能分類の最上位レベルはどれか。
図
選択肢
1 C5A
2 C6A
3 C6B2
4 C7A
5 C8B
解答
正解2(C6A)
解説

手指屈曲拘縮を利用したフォーク把持と口への運搬を可能にする最上位Zancolliレベルは、弱い手関節背屈が可能なC6Aである。

画像は頸髄完全損傷者の食事動作を示す2枚の写真である。上段はフォークの柄を屈曲した手指(手指屈曲拘縮)と手掌の間に挟み、手関節を背屈〜中間位に保って把持する様子、下段は肘を屈曲し前腕を挙上してフォークを口元へ運ぶ様子を示す。この動作に必要な要素は、(1)手指屈曲拘縮を利用したフォークの保持(能動的な手指屈曲は不要)、(2)フォークの重さに抗して手関節を背屈位に保持し把持を安定させる手関節背屈、(3)口へ運ぶための肘屈曲、である。Zancolliの四肢麻痺上肢機能分類で手関節背屈が可能となる最上位(最も重度側)レベルは、弱い手関節背屈(長橈側手根伸筋)を有するC6Aである。C5Aは手関節背屈ができず手関節を保持できないため本動作は成立しない。C6B2・C7A・C8Bはいずれも動作可能だがC6Aより機能が保たれた下位レベルであり「最上位」ではない。したがって、この動作が獲得できる最上位レベルはC6A。

✗ 1. 誤り
C5A
肘屈曲(上腕二頭筋)は可能だが腕橈骨筋がなく手関節背屈ができない。フォークの重さに抗して手関節を背屈位に保持できず、画像の把持・口への運搬を安定して行えない
✓ 2. 正しい
C6A
長橈側手根伸筋による弱い手関節背屈が可能となる最上位(最も重度側)レベル。手指屈曲拘縮を利用してフォークを保持し、手関節背屈で把持を安定させ、肘屈曲で口へ運ぶ画像の動作を達成できる最上位のレベル
✗ 3. 誤り
C6B2
手関節背屈が強く円回内筋・橈側手根屈筋も機能する。動作は可能だがC6Aより機能が保たれた下位レベルで、最上位ではない
✗ 4. 誤り
C7A
手指・母指の伸展が可能なさらに機能の高いレベル。動作は当然可能だが最上位ではない
✗ 5. 誤り
C8B
手指屈曲・内在筋まで機能する最も機能の高いレベル。動作可能だが最上位ではない
ポイント
  • C6Aの鍵は腕橈骨筋の機能
  • 手指麻痺は万能カフで把持を代償
  • 『最上位レベル』=動作可能な最も高位(重度)の損傷レベル
比較表
Zancolli分類の主要指標
レベル主な残存機能
C5肘屈曲(上腕二頭筋)
C6A腕橈骨筋機能、手関節背屈は弱い
C6B手関節背屈(tenodesis把持)
C7肘伸展・手指伸展
C8手指屈曲(実用握り)
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