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理由で解く 作業療法士

QO53P004 作業療法治療学

出典:第53回作業療法士国家試験(2018)午後 問4
問題
嚥下造影検査の嚥下反射終了後の静止画像を図に示す。咳反射はない。認める所見はどれか。
図
選択肢
1 誤嚥
2 声門閉鎖
3 頸椎前弯
4 口腔内残留
5 食道入口部開大
解答
正解1(誤嚥)
解説

側面VF像で気管(頸椎前方の透亮像)内に造影剤があれば誤嚥。歯列部に写る濃い黒色塊は歯科金属補綴物であり造影剤(口腔内残留)と誤認しないこと。「咳反射がない誤嚥」=不顕性誤嚥のキーワード。

嚥下反射終了後の側面VF静止画像で、頸椎の前方(腹側)にある気管の透亮像の中に造影剤が流入しているため「誤嚥」と判断できる。通常は嚥下時に喉頭挙上・声門閉鎖・食道入口部開大などの気道防御機構が働いて造影剤は食道へ送られるが、本症例ではこれらが破綻し造影剤が気管内に入っている。臨床文の「咳反射はない」は、誤嚥しても咳嗽反射が起こらない不顕性(silent)誤嚥を示し、自覚症状に乏しく発見が遅れやすい危険な病態である。声門閉鎖・頸椎前弯・口腔内残留・食道入口部開大のいずれの所見も認めないため、正答は誤嚥(選択肢1)となる。

✓ 1. 正しい
誤嚥
頸椎前方(腹側)の気管の透亮像の中に造影剤の流入を認め、これが誤嚥の直接所見。咳反射がないため不顕性(silent)誤嚥である
✗ 2. 誤り
声門閉鎖
声門が閉鎖している所見は認めない。むしろ気道防御が破綻し造影剤が気管へ流入している
✗ 3. 誤り
頸椎前弯
頸椎は側面像として明瞭に描出されるが、前弯(過度の前方凸彎曲)を示す異常所見は認めない
✗ 4. 誤り
口腔内残留
歯列部に見える黒い塊状陰影は歯科金属充填物(高吸収の補綴物)であり造影剤ではない。口腔内に造影剤の残留は認めない
✗ 5. 誤り
食道入口部開大
本症例はむしろ食道入口部の開大不全があり、開大所見は認めない。正常な開大が起これば誤嚥を防げるが、それが生じていない
ポイント
  • 造影剤が声門下へ流入=誤嚥
  • 咳反射なし=不顕性誤嚥(silent aspiration)で肺炎リスク大
  • 声門閉鎖・食道入口部開大は誤嚥防御機構
比較表
VFの主な所見
所見意味
喉頭侵入声帯より上まで流入
誤嚥声帯を越え気管内へ流入
不顕性誤嚥誤嚥しても咳反射なし
咽頭残留嚥下後に咽頭へ食塊残存
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