学習トップ理由で解く 作業療法士第12章 ▸ 実地 / QO53P006

理由で解く 作業療法士

QO53P006 作業療法治療学

出典:第53回作業療法士国家試験(2018)午後 問6
問題
21歳の男性。交通事故によるびまん性軸索損傷と診断された。意識は清明で運動麻痺はない。新しい物事を覚えるのが困難で記憶の障害が顕著である。この患者に対する適切なアプローチはどれか。
選択肢
1 毎日異なる課題を与える。
2 記憶の外的補助手段を使う。
3 試行錯誤が必要な課題を行う。
4 複数の学習課題を同時に行う。
5 日課は本人のペースで柔軟に変更する。
解答
正解2(記憶の外的補助手段を使う。)
解説

記憶障害では新規学習が困難。メモリーノート等の外的補助手段(環境的代償)と、誤りを減らす手続き学習が有効。

びまん性軸索損傷では新しい情報を覚える前向性健忘(近時記憶障害)が生じやすい。記憶障害へのアプローチは、残存能力で新規記憶を鍛えるより、メモリーノート・アラーム・スマートフォンなどの外的補助手段で記憶を代償し、日課や環境を一定に構造化して手がかりを減らすのが基本である。誤りを繰り返すと誤反応が学習されてしまうため、誤りなし学習(errorless learning)が推奨され、試行錯誤や複数課題の同時進行、毎日異なる課題は混乱を招き適さない。したがって外的補助手段の使用が最も適切である。

✗ 1. 誤り
毎日異なる課題を与える。
新規学習困難な患者を混乱させ定着しない
✓ 2. 正しい
記憶の外的補助手段を使う。
メモリーノート等で記憶を代償する基本的対応
✗ 3. 誤り
試行錯誤が必要な課題を行う。
誤反応が学習されるため誤りなし学習に反する
✗ 4. 誤り
複数の学習課題を同時に行う。
負荷過多で記憶障害では混乱を招く
✗ 5. 誤り
日課は本人のペースで柔軟に変更する。
環境の一定化・構造化に反し手がかりが失われる
ポイント
  • 記憶障害は外的補助手段による代償が基本
  • 誤りなし学習(errorless learning)で誤反応の定着を防ぐ
  • 日課・環境は一定に構造化する
比較表
記憶障害へのアプローチ
方針具体例
外的代償メモリーノート・アラーム
誤りなし学習正答を提示し誤りを避ける
環境調整日課・配置を一定に構造化
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。

この問題をアプリで理由で解く 作業療法士
App Store入手