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理由で解く 作業療法士

QO53P009 作業療法治療学

出典:第53回作業療法士国家試験(2018)午後 問9
問題
35歳の男性。飲酒後電車内で寝過ごし、右上腕部の圧迫によって橈骨神経麻痺となった。受傷4日後で橈骨神経領域の感覚低下があり、手関節背屈および手指伸展の自動運動は困難である。この患者に対するアプローチで適切なのはどれか。2つ選べ。
選択肢
1 上腕部のアイシング
2 手関節背屈の抵抗運動
3 Engen型把持装具の使用
4 手指・手関節の他動伸展運動
5 コックアップ・スプリントの使用
解答
正解4(手指・手関節の他動伸展運動)、5(コックアップ・スプリントの使用)
解説

圧迫性橈骨神経麻痺(下垂手)は回復まで拘縮予防が要点。他動伸展運動とコックアップ・スプリントで手関節背屈位を保つ。

上腕での圧迫による橈骨神経麻痺(Saturday night palsy)は下垂手を呈し、多くは数週〜数か月で自然回復する軸索の一時的障害である。この間の作業療法の主眼は、麻痺した伸筋群の拘縮・二次的変形を防ぎ機能回復を待つことにある。手指・手関節を他動的に伸展して関節可動域を維持し、コックアップ・スプリントで手関節を背屈位に保持して下垂手による屈曲拘縮と過伸長を防ぐ。急性外傷や炎症ではないためアイシングは不要で、麻痺筋への抵抗運動は過負荷となり適さない。Engen型把持装具は把持機能再建用で本病態には不要である。

✗ 1. 誤り
上腕部のアイシング
圧迫性神経麻痺で急性炎症はなく適応がない
✗ 2. 誤り
手関節背屈の抵抗運動
麻痺した伸筋への抵抗は過負荷で不適
✗ 3. 誤り
Engen型把持装具の使用
把持機能再建用で下垂手の管理には不要
✓ 4. 正しい
手指・手関節の他動伸展運動
拘縮予防に有効で回復期の基本
✓ 5. 正しい
コックアップ・スプリントの使用
手関節を背屈位に保持し下垂手の変形を予防
ポイント
  • 圧迫性橈骨神経麻痺=下垂手、多くは自然回復
  • 回復までは拘縮予防(他動運動)が主眼
  • コックアップ・スプリントで手関節を背屈位保持
比較表
下垂手(橈骨神経麻痺)の対応
対応目的
他動伸展運動関節可動域維持・拘縮予防
コックアップ・スプリント手関節背屈位保持・変形予防
抵抗運動麻痺筋には過負荷で不適
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