
この図の解説
この図は、胆汁と膵液の分泌がどのように調節されるかを頭相・胃相・腸相の3つの相に分けて示している。左上の「視覚・嗅覚・味覚・触覚」から大脳皮質→視床下部→延髄→迷走神経へと下る矢印が頭相で、食物を見て「美味しそう」と感じただけで唾液・胃液・膵液・胆汁の分泌が高まる。右の胃に注目すると、胃壁の伸展刺激が迷走神経の求心路を介して延髄へ伝わり、遠心路が膵液・胆汁の分泌を促すのが胃相である。図の下部の十二指腸を見ると、胃酸が届いた部位のS細胞からセクレチンが出て膵臓の腺房中心細胞・導管細胞に働き、重炭酸イオンに富むアルカリ性の膵液が分泌される。一方、脂肪やアミノ酸が届くとI細胞からコレシストキニンが出て、腺房細胞から消化酵素に富む膵液を分泌させ、同時に胆嚢を収縮させオッディ括約筋を緩めて胆汁を十二指腸へ放出させる。細胞名・ホルモン・標的の対応を矢印でたどりながら結びつけて覚えたい。
学習の要点
- 胆汁・膵液の分泌は、頭相・胃相の神経性調節(迷走神経)と腸相の体液性調節(セクレチン・コレシストキニン)で二重に制御される。
- 覚え方のコツ: 「酸っぱい(S)にはセクレチン、脂とアミノの(I)にはCCK」。CCKのC=Cholecysto=胆嚢を収縮させる、と結びつける。
- 関連知識: 胃の幽門部にあるG細胞が出すガストリンも胃液分泌を促す消化管ホルモンで、十二指腸のS細胞・I細胞と並ぶ内分泌細胞である。
- よくある間違い: コレシストキニンで胆嚢が弛緩すると取り違える/セクレチンとCCKの産生細胞(S細胞・I細胞)を逆にする。
- 臨床応用: 脂肪の多い食事はCCK分泌を強めて胆嚢を収縮させるため、胆石があると胆石仙痛の発作を誘発しやすい。
比較表
確認問題(その場で確認・記録には残りません)
十二指腸に胃酸が到達すると( ① )細胞から( ② )が分泌され、膵臓の腺房中心細胞・導管細胞に働いて( ③ )イオンに富むアルカリ性の膵液分泌を促す。①〜③に入る語を答えよ。
答えを見る
答え: ①S ②セクレチン ③重炭酸(炭酸水素)
※ 確認問題はその場の理解確認用で、復習スケジュール(FSRS)には記録されません。