学習トップ理由で解く 作業療法士第12章 ▸ 実地 / QO53A019

理由で解く 作業療法士

QO53A019 作業療法治療学

出典:第53回作業療法士国家試験(2018)午前 問19
問題
26歳の女性。衝動的な浪費や奔放な異性交遊の後に抑うつ状態となり、リストカットを繰り返していた。常に感情が不安定で、空虚感や見捨てられることへの不安を訴える。職場での対人関係の悪化をきっかけに自殺企図が認められたため入院となった。この患者に対する作業療法で適切なのはどれか。
選択肢
1 患者の申し出に応じて面接を行う。
2 初回面接で自殺企図について話し合う。
3 攻撃性がみられた場合には治療者を替える。
4 患者の希望に合わせてプログラムを変更する。
5 治療目標や治療上の契約を繰り返し確認する。
解答
正解5(治療目標や治療上の契約を繰り返し確認する。)
解説

境界性パーソナリティ障害では、治療目標や治療契約(枠組み)を繰り返し確認して一貫した枠を保つことが、衝動性・操作性・見捨てられ不安に対処する治療の基本である。

境界性パーソナリティ障害は、感情の不安定さ、見捨てられ不安、空虚感、衝動的行動、自傷・自殺企図を特徴とする。治療では、患者の要求に都度応じたり枠組みを揺るがせたりすると、操作的な関係や治療者の分裂(スプリッティング)を助長し治療が破綻しやすい。そのため、あらかじめ定めた治療目標や治療上の契約(面接の頻度・約束事・自傷時の対応など)を繰り返し確認し、一貫して安定した枠組みを保つことが最も適切である。患者の申し出のたびに面接する・希望に合わせてプログラムを変更するのは枠組みを崩し不適切。初回面接でいきなり自殺企図を掘り下げるのは信頼関係が未形成な段階では負担が大きく不適。攻撃性が出るたびに治療者を替えるのは一貫性を欠き、患者の対人パターンを助長するため不適切である。

✗ 1. 誤り
患者の申し出に応じて面接を行う。
都度応じると枠組みが揺らぎ操作的関係を助長するため不適
✗ 2. 誤り
初回面接で自殺企図について話し合う。
関係が未形成な初回での直面化は負担が大きく不適
✗ 3. 誤り
攻撃性がみられた場合には治療者を替える。
一貫性を欠き対人パターンを強化するため不適
✗ 4. 誤り
患者の希望に合わせてプログラムを変更する。
枠組みを崩し治療構造を不安定にするため不適
✓ 5. 正しい
治療目標や治療上の契約を繰り返し確認する。
一貫した枠組みの維持が治療の基本で適切
ポイント
  • 境界性PDには一貫した治療の枠組み(契約)の維持が基本
  • 都度の要求への応諾・治療者交代は操作性・分裂を助長
  • 見捨てられ不安・衝動性・自傷を安定した構造で受け止める
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。

この問題をアプリで理由で解く 作業療法士
App Store入手