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理由で解く 作業療法士

QO53A012 作業療法治療学

出典:第53回作業療法士国家試験(2018)午前 問12
問題
80歳の男性。要介護2。妻と2人暮らし。上肢機能は保たれているが、下肢の支持性の低下がある。認知機能は保たれている。尿意はあり、日中は洋式トイレでズボンの上げ下ろしの介助を受けて排尿している。便失禁はないが、夜間の居室での排尿方法を検討している。「妻を起こさずに自分で排尿したい」との希望がある。排泄用具の写真①〜⑤を図に示す。選択する排泄用具として適切なのはどれか。
図
選択肢
1
2
3
4
5
解答
正解4(4)
解説

上肢・認知が保たれ尿意もあるが下肢支持性が低い高齢者が夜間に介助なく自立排尿するには、保持のみで自動吸引される手持ち型集尿器(④)が最適。

本例は上肢機能と認知機能が保たれ、尿意もあり便失禁もない80歳男性で、下肢の支持性が低下しており、夜間に妻を起こさず居室で自分で排尿したいと希望している。④自動吸引式集尿器(手持ち型)は、保たれた上肢で受尿部を自分で保持でき、立位や移乗を要さないため下肢支持性低下でも使用可能で、排尿した尿は自動的に吸引・貯留されるため受尿部が濡れず漏れも起きにくく、静かに自己完結で使える。これにより介助なし・妻を起こさずに自立排尿という希望が満たされる。①収尿器や②差し込み便器は介助や持続的な尿の管理を要し、③自動排泄処理装置(おむつ型)は寝たきり者向けで機能が保たれた本例には過剰・不適、⑤ポータブルトイレは立位移乗が必要で下肢支持性低下の本例では夜間単独使用に転倒リスクや介助を伴うため不適である。したがって④が最も適切。

✗ 1. 誤り
① 収尿器(尿器+バッグ):重力式でバッグに持続貯留する型。尿意があり自分の意思で排尿したい本例には過剰で、バッグ管理も要し夜間の自立排尿に最適とは言えない
✗ 2. 誤り
臥位で挿入・介助が前提。妻を起こさず自立排尿したい希望に反する
✗ 3. 誤り
③ 自動排泄処理装置(おむつ型):寝たきりでおむつ装着が必要な者向け。認知機能・上肢機能が保たれ尿意もある本例には不適で尊厳・自立を損なう
✓ 4. 正しい
④ 自動吸引式集尿器(手持ち型):上肢で受尿部を保持でき、立位移乗不要で下肢支持性低下でも使え、尿は自動吸引され漏れず静かで自己管理可能。妻を起こさず自力排尿したい希望に合致する
✗ 5. 誤り
立位・移乗が必要で下肢支持性が低下した本例では夜間単独使用に転倒リスクや介助を要し、希望に沿わない
ポイント
  • 残存能力(上肢・認知・尿意)を活かし自立を最大化する用具選択
  • 夜間・下肢支持性低下→立位移動は転倒リスク、臥位/座位で使える尿器が安全
  • 男性・尿のみ・自力操作可→手持ち式(男性用)尿器が適応
比較表
主な排泄用具と適応
用具適応
手持ち式尿器(男性用)上肢機能良好・尿意あり・自力操作可、臥位/座位で使用
差し込み便器臥床が主で便もある、介助前提
ポータブルトイレ座位保持・移乗が可能、居室で排泄
自動採尿器自力操作困難で持続的な採尿が必要
おむつ尿意・便意の消失や全介助
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