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理由で解く 作業療法士

QO53A011 作業療法治療学

出典:第53回作業療法士国家試験(2018)午前 問11
問題
72歳の女性。関節リウマチ。SteinbrockerのステージⅢ、クラス3。訪問リハビリテーションを行っている。最近、新たに後頸部痛と歩きにくさとを訴えている。この患者への対応として適切でないのはどれか。
選択肢
1 転倒予防の指導を行う。
2 頸部の可動域運動を行う。
3 調理の際に椅子の使用を勧める。
4 高い枕を用いないよう指導する。
5 柔らかいマットレスを避けるよう指導する。
解答
正解2(頸部の可動域運動を行う。)
解説

関節リウマチの新規後頸部痛+歩行障害は環軸椎亜脱臼(頸髄症)を強く疑う所見であり、頸部の他動的・自動的可動域運動は脊髄圧迫を助長する禁忌行為である。

関節リウマチでは環軸関節の靱帯(横靱帯)が炎症で緩み、環軸椎亜脱臼をきたしやすい。新たに生じた後頸部痛と『歩きにくさ』は、頸髄が圧迫されて生じる頸髄症(痙性歩行・巧緻性低下)を疑わせる危険なサインである。この状況で頸部を大きく動かす可動域運動を行うと亜脱臼を増悪させ、四肢麻痺など重篤な神経障害を招くおそれがあるため禁忌である。頸部を過度に屈曲・伸展させない配慮(高い枕を避ける、柔らかすぎず頸部が沈まない寝具)や、転倒予防、関節保護のための椅子座位での調理はいずれも適切な対応である。

✗ 1. 正しい
転倒予防の指導を行う。
歩行障害があり転倒リスクが高いため適切(正しい対応)
✓ 2. 誤り
頸部の可動域運動を行う。
環軸椎亜脱臼・頸髄症を疑う場面で頸部を動かすのは脊髄圧迫を助長し禁忌(適切でない=正答)
✗ 3. 正しい
調理の際に椅子の使用を勧める。
立位負荷と全身関節の保護に有用で適切(正しい対応)
✗ 4. 正しい
高い枕を用いないよう指導する。
頸部の過屈曲を避け環軸椎への負担を減らすため適切(正しい対応)
✗ 5. 正しい
柔らかいマットレスを避けるよう指導する。
体幹・頸部が沈み込む不良肢位を防ぎ、寝返り・起き上がりも容易になるため適切(正しい対応)
ポイント
  • RA+後頸部痛+歩行障害=環軸椎亜脱臼/頸髄症を疑う
  • 頸部可動域運動は脊髄圧迫を助長するため禁忌
  • 頸部中間位を保つ寝具・枕指導と転倒予防が基本
比較表
Steinbrocker分類(関節リウマチ)
分類軸内容
ステージ(病期)Ⅰ〜Ⅳでエックス線上の関節破壊の進行度を示す(Ⅱは軟骨下骨破壊なし〜軽度)
クラス(機能)1〜4で日常生活の機能障害度を示す(クラス3はセルフケアは可能だが職業・その他の活動に制限)
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