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理由で解く 作業療法士

QO53A009 作業療法評価学

出典:第53回作業療法士国家試験(2018)午前 問9
問題
7歳の男児。脳性麻痺の痙直型両麻痺。GMFCSレベルIII。床上を前方へ移動する様子を図に示す。考えられる状態はどれか。
図
選択肢
1 頭部保持能力の低下
2 両側上肢の支持能力の低下
3 下部体幹の支持能力の低下
4 両側肩甲帯周囲筋の筋緊張低下
5 左右股関節の交互分離運動能力の低下
解答
正解5(左右股関節の交互分離運動能力の低下)
解説

痙直型両麻痺では左右股関節の交互分離運動が困難となり、両下肢を同時・対称に動かす兎跳び(bunny hopping)様の床上移動を呈する。

4コマの連続写真は、四つ這い→両手を同時に前方へ運ぶ→両膝を同時に引き寄せる→殿部を挙上して両下肢を揃えて前進、という一連の動作を示す。両下肢が左右交互ではなく常に同時・対称に動く「兎跳び(bunny hopping)」様の移動パターンである。痙直型両麻痺では股関節内転筋・ハムストリングスなどの筋緊張亢進により、左右の下肢を分離させて交互に動かす(reciprocal dissociation)ことが困難で、両下肢をまとめて動かす兎跳び様移動となりやすい。一方、写真上では頭部保持、両上肢での体重支持、体幹支持はいずれも良好で、肩甲帯の低緊張も認めない。したがって、この移動様式から読み取れる状態は「左右股関節の交互分離運動能力の低下」であり、公式正答[5]と整合する。

✗ 1. 誤り
頭部保持能力の低下
全コマで頭部を挙上し正面を見て保持できている。頭部保持能力は保たれる
✗ 2. 誤り
両側上肢の支持能力の低下
両手掌を床につき体重を支持しながら前方へ手を運んでおり、上肢の支持能力は良好
✗ 3. 誤り
下部体幹の支持能力の低下
四つ這い姿勢を安定して保持でき、体幹(下部体幹)の支持は保たれている
✗ 4. 誤り
両側肩甲帯周囲筋の筋緊張低下
両上肢でしっかり体重を支持できており肩甲帯の低緊張所見はない。痙直型ではむしろ筋緊張は亢進する
✓ 5. 正しい
左右股関節の交互分離運動能力の低下
両下肢を左右同時・対称に揃えて引き寄せ・前進させる兎跳び(bunny hopping)様の移動で、左右交互の分離した股関節運動ができていない
ポイント
  • 痙直型両麻痺=下肢優位の痙性麻痺
  • 交互分離運動困難でbunny hopping(うさぎ跳び様這い這い)
  • GMFCSレベルIIは歩行可能だが制限あり
比較表
脳性麻痺の病型
病型特徴
痙直型両麻痺下肢優位の痙性、はさみ肢位、bunny hopping
痙直型片麻痺一側上下肢の痙性
アテトーゼ型不随意運動、筋緊張の動揺
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