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理由で解く 作業療法士

QO53A004 作業療法評価学

出典:第53回作業療法士国家試験(2018)午前 問4
問題
29歳の男性。バイク転倒事故による右前頭葉脳挫傷および外傷性くも膜下出血。事故から2週後に意識清明となり、作業療法が開始された。運動麻痺と感覚障害はない。礼節やコミュニケーション能力は保たれているが、感情表出は少なく、ぼんやりとしていることが多い。既知の物品操作方法は覚えているが、事故後の出来事に関する情報は忘れやすい。作業療法開始時間までに支度を整えることが難しく、しばしば時間に遅れる。この患者の状態を評価するために適切と考えられる評価法はどれか。2つ選べ。
選択肢
1 BADS
2 RBMT
3 SLTA
4 SPTA
5 VPTA
解答
正解1(BADS)、2(RBMT)
解説

前頭葉損傷による遂行機能障害(段取り困難)→BADS、事故後の出来事を忘れる前向性の記憶障害→RBMTが適切。

本例は右前頭葉脳挫傷後で、感情表出の乏しさや自発性低下、そして『開始時間までに支度を整えられず遅刻する』という段取り・計画立案の障害=遂行機能障害が疑われる。これを評価するのがBADS(遂行機能障害症候群の行動評価)である。また『既知の物品操作は覚えているが事故後の出来事を忘れやすい』のは日常生活に即した前向性健忘(近時記憶障害)を示し、RBMT(リバーミード行動記憶検査)が生活場面に近い形で記憶を評価できる。運動麻痺・感覚障害がなく礼節やコミュニケーションが保たれるため、失語・失行・視知覚の検査は本例の主症状評価には不適切である。

✓ 1. 正しい
BADS
遂行機能障害症候群の行動評価。段取り・計画の障害を評価でき本例に適切
✓ 2. 正しい
RBMT
リバーミード行動記憶検査。日常記憶(前向性健忘)を評価でき本例に適切
✗ 3. 誤り
SLTA
標準失語症検査。失語の評価だが本例はコミュニケーション保たれ不適
✗ 4. 誤り
SPTA
標準高次動作性検査(失行の検査)。物品操作は保たれており不適
✗ 5. 誤り
VPTA
標準高次視知覚検査。視知覚・視空間障害の検査で本例の主症状に不適
ポイント
  • 前頭葉損傷+段取り困難=遂行機能障害→BADS
  • 事故後の出来事を忘れる前向性健忘→RBMT
  • SLTA=失語、SPTA=失行、VPTA=視知覚の検査
  • RBMTは日常記憶に加え「約束を思い出す」などの展望記憶も評価でき、支度が間に合わない本例に合う
  • BADSは規則変換カード・行為計画・鍵探し・時間判断・動物園地図・修正6要素の6検査とDEX質問紙からなる
比較表
主な高次脳機能検査と評価対象
検査評価対象
BADS遂行機能
RBMT日常記憶(近時記憶)
SLTA失語症
SPTA失行(高次動作)
VPTA高次視知覚
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