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理由で解く 作業療法士

QO52P015 作業療法評価学

出典:第52回作業療法士国家試験(2017)午後 問15
問題
32歳の女性。統合失調症。デイケアに通所しているが、いつも人を避けるように過ごしていることが多い。スタッフが面談の中でその理由を尋ねると「会話をしていると、途中から何を話しているのか分からなくなります。それが恐くて人と話をする自信がないです」と訴えた。この患者の症状の評価で最も適切なのはどれか。
選択肢
1 GAF
2 BADS
3 WCST
4 Rehab
5 BACS-J
解答
正解5(BACS-J)
解説

『会話の途中で内容が分からなくなる』は注意・作業記憶・処理速度など統合失調症の認知機能障害を示唆し、統合失調症用の認知機能検査BACS-Jが最適。

本例の『会話をしていると途中から何を話しているか分からなくなる』という訴えは、注意の持続・作業記憶・言語記憶・処理速度といった統合失調症に特徴的な認知機能障害(cognitive impairment)を反映する。BACS-J(Brief Assessment of Cognition in Schizophrenia 日本語版)は統合失調症の認知機能を言語記憶・作業記憶・運動機能・注意/処理速度・言語流暢性・遂行機能の各領域で簡便に評価する目的で開発された検査であり、本症状の評価に最も適切である。GAFは機能の全般的評価、BADS・WCSTは主に前頭葉性の遂行機能検査、Rehab(精神科リハビリテーション行動評価尺度)は生活・行動面の評価で、本例の認知機能そのものの評価としては最適でない。

✗ 1. 誤り
GAF
機能の全般的評定尺度で、認知機能の個別評価ではない
✗ 2. 誤り
BADS
遂行機能障害症候群の行動評価で、主に前頭葉性遂行機能を評価
✗ 3. 誤り
WCST
ウィスコンシンカード分類課題。概念形成・セット転換など遂行機能検査
✗ 4. 誤り
Rehab
精神科リハビリテーション行動評価尺度で、生活・行動面を評価
✓ 5. 正しい
BACS-J
統合失調症の認知機能を包括的に測る簡易認知機能検査で最適
ポイント
  • 統合失調症の認知機能障害=注意・作業記憶・処理速度・言語記憶等
  • BACS-J=統合失調症用の簡易認知機能検査
  • GAFは全般機能、BADS/WCSTは遂行機能、Rehabは行動評価
比較表
精神科で用いる主な評価尺度
尺度評価対象
GAF機能の全般的評価
BADS遂行機能(行動評価)
WCST前頭葉性遂行機能
Rehab精神科リハの生活・行動
BACS-J統合失調症の認知機能
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