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理由で解く 作業療法士

QO52P008 作業療法治療学

出典:第52回作業療法士国家試験(2017)午後 問8
問題
20代の男性。頸髄損傷完全麻痺(Zancolliの四肢麻痺上肢機能分類C6B2)。仰臥位から長座位へ垂直方向の起き上がり動作獲得のために練習を行っている。図に示す肢位で肩甲帯を左右に振り重心を移動することを繰り返す。正常以上の関節可動域拡大を目的とした関節運動はどれか。
※選択肢または図は元問題の図を参照
図
選択肢
1 頸部伸展
2 肩甲骨外転
3 肩関節水平伸展
4 肩関節内旋
5 肩関節外旋
解答
正解3(肩関節水平伸展)
解説

C6レベルでは体幹後方で伸展した上肢に体重を預けて支持するため、肩関節の水平伸展(後方への水平外転)を正常以上に拡大しておく必要がある。

C6完全麻痺では手指・体幹の随意運動がなく、起き上がりや長座位保持は上肢を体幹後方について支える(後方支持)ことで行う。体の後方で肘を伸展位に保ち上肢に体重を預けるには、肩関節を通常より大きく水平伸展(水平外転/後方伸展)できる可動性が求められる。図の肩甲帯を左右に振って重心移動する練習は、この後方支持位での安定性を得るための動作であり、正常以上のROM拡大を要するのは肩関節水平伸展である。頸髄損傷者ではこのほか手関節・手指屈筋の腱固定(テノデーシス)作用を活かすための可動性も重視されるが、本設問の起き上がり・後方支持に直結するのは肩関節水平伸展である。

✗ 1. 誤り
頸部伸展
起き上がりで屈曲方向を用い過伸展拡大は目的でない
✗ 2. 誤り
肩甲骨外転
前方リーチ要素で後方支持の主眼ではない
✓ 3. 正しい
肩関節水平伸展
後方支持のため正常以上のROM拡大が必要
✗ 4. 誤り
肩関節内旋
後方支持位保持に必須ではない
✗ 5. 誤り
肩関節外旋
後方支持で用いるが可動域を正常以上に拡大する対象ではない
ポイント
  • C6完全麻痺は後方支持で起き上がり・座位保持
  • 後方支持には肩関節水平伸展の過可動性が必要
  • テノデーシス作用のための手指ROMも重視
比較表
頸髄損傷でROM管理が重要な部位
部位・運動目的
肩関節水平伸展後方支持での座位・起き上がり
手関節伸展・手指屈曲テノデーシス把持の獲得
股関節屈曲(長座位)更衣・長座位バランス
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