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理由で解く 作業療法士

QO52P003 作業療法評価学

出典:第52回作業療法士国家試験(2017)午後 問3
問題
70歳の男性。1年前から誘因なく四肢末梢の感覚障害と筋力低下が出現している。次第に脱力は進行し、手指の巧緻性低下と歩行障害をきたしている。頸部MRIのT2強調像を図に示す。頸髄の変化が最も大きい部位はどれか。
図
選択肢
1 第2頸椎・第3頸椎間
2 第3頸椎・第4頸椎間
3 第4頸椎・第5頸椎間
4 第5頸椎・第6頸椎間
5 第6頸椎・第7頸椎間
解答
正解3(第4頸椎・第5頸椎間)
解説

頸椎症性脊髄症のMRIでは、髄液腔の消失・脊髄の圧排(扁平化)・髄内T2高信号の3所見が最も強く重なる椎間が「変化最大」の部位。矢状断ではC2歯突起を起点に椎体を数えてレベルを同定する。中高年の四肢感覚障害+手指巧緻性低下+歩行障害はまず頸椎症性脊髄症を考える。

本症例は70歳男性で、1年前から誘因なく四肢末梢の感覚障害・筋力低下が緩徐に進行し、手指の巧緻性低下と歩行障害をきたしている。四肢に及ぶ症状に巧緻性低下・歩行障害が併存する像は、頸髄が広範に障害される頸椎症性脊髄症(頚部脊柱管狭窄による脊髄症)を示唆する。頸椎T2矢状断で「変化が最大の椎間」を同定するには、椎間ごとに次の3点を比較する。(1)脊髄前後の高信号を呈する髄液腔(くも膜下腔)が消失しているか、(2)脊髄そのものが前後に圧排・扁平化しているか、(3)圧迫部の脊髄内に淡いT2高信号(髄内輝度変化=脊髄症)が生じているか。歯突起(C2)を起点に椎体を尾側へ数えると、第4/第5頸椎間で前方からの椎間板・骨棘様突出により脊柱管が最も狭小化し、髄液腔が消失して脊髄が強く圧排され、髄内に淡い高信号を認める。すなわちこの椎間の変化が最大であり、正答は選択肢3(第4頸椎・第5頸椎間)。第5/第6・第6/第7頸椎間にも圧迫や髄液腔消失はみられるが、いずれもC4/5より程度は軽い。上位のC2/3・C3/4では明らかな圧迫・変性を認めない。

✗ 1. 誤り
第2頸椎・第3頸椎間
上位頸椎レベルで脊柱管・髄液腔は保たれ、脊髄の圧排や髄内輝度変化を認めない
✗ 2. 誤り
第3頸椎・第4頸椎間
C4/5より頭側で、髄液腔消失や明らかな脊髄圧迫・変性所見に乏しい
✓ 3. 正しい
第4頸椎・第5頸椎間
前方からの椎間板・骨棘様突出で脊柱管が最も狭小化し、髄液腔が消失、脊髄が強く圧排され髄内に淡いT2高信号(脊髄症)を認める最強変化部位
✗ 4. 誤り
第5頸椎・第6頸椎間
脊髄圧迫・髄液腔消失はみられるがC4/5より程度が軽い
✗ 5. 誤り
第6頸椎・第7頸椎間
下位頸椎レベルで、C4/5に比べ圧迫・変性は軽度
ポイント
  • 頸椎症性脊髄症は手指巧緻性低下・痙性歩行が特徴
  • 責任高位はT2髄内高信号と最大圧迫部で判定
  • C4/5・C5/6が好発高位
比較表
頸椎症性脊髄症の主要徴候
徴候内容
巧緻運動障害箸・ボタン操作困難、10秒テスト低下
歩行障害痙性・失調様歩行
感覚障害四肢のしびれ・異常感覚
画像T2で脊髄圧迫部の髄内高信号
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