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理由で解く 作業療法士

QO52A032 作業療法治療学

出典:第52回作業療法士国家試験(2017)午前 問32
問題
右半球損傷による全般性注意障害の片麻痺患者に対する初期の基本動作支援について正しいのはどれか。
選択肢
1 移乗動作の誤りを繰り返し修正する。
2 杖歩行は複数人とすれ違う環境から開始する。
3 車椅子駆動練習は外乱の少ない環境から開始する。
4 寝返りにおける性急な動作は口頭指示で修正する。
5 起き上がり動作は一連の動作を一度に口頭で指導する。
解答
正解3(車椅子駆動練習は外乱の少ない環境から開始する。)
解説

全般性注意障害では刺激を減らした環境で単純な課題から始め、誤りを起こさせない(errorless learning)配慮が原則。

右半球損傷では左片麻痺に加え全般性注意障害(持続性・選択性・分配性・転換性の低下)や左半側空間無視を伴いやすい。注意容量が低下しているため、外乱(人・音・複数刺激)の多い環境や複数手順の一括指示は情報過多となり混乱・危険を招く。初期は刺激の少ない静かな環境で単純化・分割した課題から開始し、成功体験を積ませることが基本動作再獲得の要点である。

✗ 1. 誤り
移乗動作の誤りを繰り返し修正する。
誤りを反復させると誤学習が定着しやすい。誤りを未然に防ぐerrorless learningが望ましい
✗ 2. 誤り
杖歩行は複数人とすれ違う環境から開始する。
注意の分配・転換が困難な時期に外乱の多い環境は転倒・接触の危険が高い
✓ 3. 正しい
車椅子駆動練習は外乱の少ない環境から開始する。
刺激を減らし課題に注意を向けやすくする適切な配慮
✗ 4. 誤り
寝返りにおける性急な動作は口頭指示で修正する。
注意障害では口頭指示のみでは制御が難しく、環境調整や介助・手がかりの併用が必要
✗ 5. 誤り
起き上がり動作は一連の動作を一度に口頭で指導する。
情報過多となり遂行できない。動作を分割し段階的に提示すべき
ポイント
  • 全般性注意障害は外乱の少ない静かな環境から開始
  • 課題は単純化・分割して段階的に提示
  • 誤りを反復させず未然に防ぐ(errorless learning)
比較表
注意障害患者への環境・課題設定の原則
項目適切な対応
環境刺激・外乱の少ない静かな場から開始
課題難度単純・易しい課題→段階的に難化
指示短く分割し一つずつ提示
学習法errorless learning(誤りを防ぐ)
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