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理由で解く 作業療法士

QO52A010 作業療法治療学

出典:第52回作業療法士国家試験(2017)午前 問10
問題
75歳の女性。自宅の浴室で転倒し右大腿骨頸部を骨折したため人工股関節置換術(後外側アプローチ)が施行された。担当医からは患側への全荷重が許可されている。この患者に対するADL指導で正しいのはどれか。
選択肢
1 割り座で靴下をはく。
2 和式の畳生活を勧める。
3 靴ひもを結ぶときはしゃがむ。
4 椅子は座面の低いものを使用する。
5 階段を下りるときは右足を先に下ろす。
解答
正解5(階段を下りるときは右足を先に下ろす。)
解説

後外側アプローチのTHAでは、股関節の過屈曲・内転・内旋が後方脱臼の危険肢位。これを避ける指導を選ぶ。全荷重可なら階段下降は患側(右)から下ろすのが正しい。

人工股関節全置換術(THA)の後外側(後方)アプローチでは後方の関節包・外旋筋群を切離するため、股関節の屈曲+内転+内旋の複合肢位で後方脱臼を起こしやすい。したがってADL指導ではこの危険肢位を避けることが原則である。階段を下りるときは、患側への全荷重が許可されているため、患側(右)を先に下ろし健側で体を支えて続く(下りは患側から)ようにすると、支持脚である健側股関節の深屈曲を避けやすく安全で、これが正しい。他の選択肢はいずれも危険肢位を誘発する。割り座(横座り)は股関節の内旋・内転を強制し、和式・畳の生活や低い椅子・しゃがみ込みは股関節を深く屈曲させ、いずれも後方脱臼のリスクが高いため禁忌または不適である。

✗ 1. 誤り
割り座で靴下をはく。
横座りは股関節の内旋・内転を強制し後方脱臼の危険肢位で不適
✗ 2. 誤り
和式の畳生活を勧める。
床上での深い股関節屈曲を要し脱臼リスクが高い。椅子・ベッドの洋式生活が望ましい
✗ 3. 誤り
靴ひもを結ぶときはしゃがむ。
しゃがみ込みは股関節過屈曲を招く。長柄の補助具等で屈曲を避ける
✗ 4. 誤り
椅子は座面の低いものを使用する。
低い座面は股関節屈曲を深め立ち座りで脱臼リスク。高めの座面が適切
✓ 5. 正しい
階段を下りるときは右足を先に下ろす。
全荷重可のため下りは患側(右)から。健側股関節の深屈曲を避けられ安全
ポイント
  • 後外側アプローチの危険肢位=屈曲+内転+内旋(後方脱臼)
  • 低い座面・しゃがみ・割り座・床生活は過屈曲/内旋で禁忌
  • 階段は昇り健側から・下り患側から(全荷重許可時)
比較表
THA後外側アプローチの脱臼予防指導
場面推奨/回避
座位高い座面の椅子(過屈曲回避)
整容・更衣長柄具使用、しゃがみ込み回避
座り方割り座・横座り(内旋内転)を避ける
生活様式床生活より椅子・ベッドの洋式
階段(全荷重可)昇りは健側から、下りは患側から
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