学習トップ / 理由で解く 臨床医学総論 / 臨床医学総論 第10章 ▸ H. 排尿障害・乏尿・無尿・多尿(頻尿含む) / Q28H047
理由で解く 臨床医学総論
排尿障害の検査は、体への負担が少なく繰り返せるものから順に進めるのが原則である。腹部超音波検査は非侵襲的で被曝がなく、残尿量や腎・膀胱の形態、前立腺の腫大までまとめて確認できるため、初めに行う検査として適切であり、3が正しい。
排尿障害は、ためられない蓄尿症状(頻尿・尿意切迫・尿失禁)と、出せない排出症状(排尿困難・尿勢低下〈尿線細小〉・排尿開始の遅れ)に大別され、排尿後の残尿感・排尿後尿滴下は排尿後症状として分けることもある。診察はまず医療面接(排尿回数・夜間排尿・尿の勢い・残尿感)と尿検査、身体診察でしぼり込み、そのうえで画像検査に進むという順序をとる。この最初の画像検査として選ばれるのが腹部超音波検査で、膀胱内に残った尿の量(残尿)、下部尿路の閉塞に伴って生じる腎盂・腎杯の拡張(水腎症)の有無、前立腺の大きさ、結石や腫瘤の有無を、痛みも被曝もなく短時間で評価できる。ここで得た情報をもとに、必要な人だけを膀胱内視鏡検査や尿流動態検査など負担の大きい検査へ進めるのが、検査を組み立てるときの基本的な考え方である。施術者の立場では、下腹部が張って強い尿意があるのに排尿できない尿閉、発熱を伴う排尿痛、血尿、進行する排尿困難に気づいたら、施術を続けずに泌尿器科の受診をすすめることが求められる。
| 検査 | 体への負担 | 主に分かること | 位置づけ |
|---|---|---|---|
| 腹部超音波検査 | 非侵襲的・被曝なし | 残尿量、腎盂・腎杯の拡張(水腎症)、膀胱壁、前立腺の腫大、結石・腫瘤 | 初めに行う(ふるい分け) |
| 腹部エックス線検査 | 被曝あり | 骨、石灰化した結石の陰影 | 限られた目的で追加する |
| 膀胱内視鏡検査 | 侵襲的(痛み・感染の危険) | 膀胱・尿道内の直接観察(腫瘍・炎症など) | 適応をしぼって後から行う |
| 神経伝導検査 | やや負担あり(電気刺激) | 末梢神経の伝導障害(膀胱の働きは評価できない) | 末梢神経障害を調べる検査。排尿障害の初期評価には用いない |
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