学習トップ / 理由で解く 臨床医学総論 / 臨床医学総論 第4章 ▸ B. 精神状態・言語 / Q28H046
理由で解く 臨床医学総論
改訂長谷川式簡易知能評価スケールのうち、先に覚えた3つの言葉をあとから思い出す「遅延再生」の課題は、近時記憶を直接みる課題であり、アルツハイマー病では病初期から答えられなくなる。
アルツハイマー型認知症は認知症の原因疾患のなかで最も多く、中核症状(記憶障害・見当識障害・実行機能障害・失語・失行・失認・判断力低下)のうち、まず新しいことを覚えて少し後に取り出す近時記憶が障害される。改訂長谷川式簡易知能評価スケールは、検者が口頭で質問して短時間で行える質問式の認知症スクリーニング検査で、年齢・見当識・3つの言葉の即時再生・計算・数字の逆唱・遅延再生・物品記銘・語想起などの項目からなる。年齢のように自分について長く保持している情報や、言われた言葉をその場で繰り返す即時再生は、病初期には保たれやすい。つまり「言った直後は言えるのに、少し経つと思い出せない」というずれが早期発見の手がかりになる。なおこのスケールは診断そのものではなくスクリーニングであり、疑わしければ医療機関の受診につなげる。
| 質問(課題) | 一般にみているとされる機能 | アルツハイマー病 病初期の答えやすさ(一般的な傾向) |
|---|---|---|
| 年齢を尋ねる | 自分についての長期記憶(2年の誤差は正解) | 答えられることが多い |
| 3つの言葉を復唱する | 即時再生・注意 | 答えられることが多い |
| 100から7を順に引く | 注意の持続・作業記憶 | 答えられることが多い |
| 先に覚えた言葉を思い出す | 近時記憶(遅延再生) | 病初期から答えられない |
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