学習トップ理由で解く 臨床医学総論第3章 ▸ C. 血圧 / Q0055

理由で解く 臨床医学総論

Q0055 生命徴候(バイタルサイン)の診察

出典:あマ指 第4回(1996) 問題68
問題
健常者の血圧について正しい記述はどれか。
選択肢
1 右手より左手の方が高い。
2 臥位と立位とでは異なる。
3 拡張期血圧が収縮期血圧より高い。
4 上肢と下肢とでは差がない。
解答
正解2(臥位と立位とでは異なる。)
解説
✗ 1. 誤り
右手より左手の方が高い。
健常者では左右の上肢間に有意な血圧差は通常みられない。左右差が10mmHg以上ある場合は、鎖骨下動脈狭窄や大動脈縮窄症などの動脈疾患を疑う所見となる。
✓ 2. 正解
臥位と立位とでは異なる。
✓ 正しい。 健常者の血圧は体位によって変動する。臥位から立位になると、重力の影響で下肢への血液貯留が増加し、静脈還流が一時的に減少するため血圧が変動する。健常者では圧受容器反射により速やかに代償されるが、自律神経障害があると起立性低血圧(立位で収縮期血圧が20mmHg以上低下)を生じる。
✗ 3. 誤り
拡張期血圧が収縮期血圧より高い。
収縮期血圧は心室の収縮によって動脈壁にかかる最大圧であり、拡張期血圧は心室の拡張時の最小圧である。したがって、常に収縮期血圧の方が拡張期血圧より高い。その差が脈圧である。
✗ 4. 誤り
上肢と下肢とでは差がない。
健常者では下肢の血圧は上肢より10〜20mmHg程度高い。これは下肢の方が心臓からの距離が長く、脈波の反射により収縮期血圧が増幅されるためである。逆に、下肢の血圧が上肢より低い場合は大動脈縮窄症を疑う重要な所見となる。
ポイント
  • 血圧は体位により変動する。臥位から立位への変化で静脈還流が減少し、血圧が変動する
  • 起立性低血圧は立位で収縮期血圧が20mmHg以上低下する病態である
  • 健常者では下肢の血圧は上肢より10〜20mmHg程度高い。下肢<上肢は大動脈縮窄症を示唆する
  • 収縮期血圧と拡張期血圧の差を脈圧という
  • 重要用語: 体位変換、起立性低血圧、脈圧、大動脈縮窄症 を正確に理解しておくこと。
比較表
項目 内容
左右差 通常10mmHg未満。10mmHg以上は鎖骨下動脈狭窄等を疑う
体位変動 臥位と立位で変動する(正常な生理的反応)
収縮期 vs 拡張期 常に収縮期>拡張期。その差が脈圧
上肢 vs 下肢 健常者では下肢が10〜20mmHg程度高い
解説画像
あマ指 第4回(1996) 問題68|健常者の血圧について正しい記述はどれか。 解説図
あマ指 第4回(1996) 問題68|健常者の血圧について正しい記述はどれか。
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。

この問題をアプリで理由で解く 臨床医学総論
App Store入手