学習トップ / 理由で解く 臨床医学各論 / 第8章 ▸ H. 外傷 / Q34A078
理由で解く 臨床医学各論
手をついて受傷した小児の肘の変形・腫脹という前問の症例、すなわち上腕骨顆上骨折についての正しい記述を選ぶ設問で、答えは「重大な合併症に阻血性拘縮がある」である。
上腕骨の顆上部の前方には上腕動脈と正中神経が接して走っている。骨折による転位・出血・腫脹や、きつすぎる固定が加わると、前腕屈筋群の入った区画(コンパートメント)の内圧が上がって筋への血流が絶たれ、筋が壊死して線維化した結果、手指が屈曲したまま伸びなくなる変形が残る。これが阻血性拘縮(フォルクマン拘縮)で、いったん完成すると回復が難しいため、受傷直後から手指の激痛(とくに他動的に伸ばしたときの痛み)・蒼白・脈拍触知不良・知覚異常・運動麻痺を繰り返し確認する。脈が触れていても阻血は否定できない。疑ったらただちに固定を緩めて整形外科の緊急対応につなぐ。
| 項目 | 上腕骨顆上骨折 | 上腕骨外顆骨折 |
|---|---|---|
| 典型的な受傷機序 | 肘伸展位で手をついて顆上部が折れる(伸展型が大多数) | 手をついて肘が内反強制され、外側顆が裂離する |
| 骨折の部位 | 関節外(顆上部=骨幹端) | 関節内(外側顆) |
| 遺残しやすい変形 | 内反肘 | 外反肘 |
| 遅れて出る神経麻痺 | 頻度は高くない | 外反肘の遺残により尺骨神経が引き伸ばされ、遅発性尺骨神経麻痺 |
| 急性期に警戒する合併症 | 阻血性拘縮(フォルクマン拘縮)=上腕動脈の圧迫 | 骨癒合不全・偽関節 |
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