学習トップ / 理由で解く 臨床医学各論 / 第4章 ▸ D. その他の呼吸器疾患 / Q27H080
理由で解く 臨床医学各論
右上肺野末梢側の2cm大の結節で肺癌と診断された症例の続きです。問われているのは「遠隔転移」を見る検査なので、肺から離れた臓器に転移巣がないかを画像で調べられる脳造影MRIが正解です。
転移とは、腫瘍細胞が原発巣から離れた場所に運ばれ、そこで増殖して新しい腫瘍巣をつくることです。悪性腫瘍の進行度を表すTNM分類のMはまさに「遠隔転移の有無」を意味し、これが治療方針と予後を大きく左右するため、診断後には遠隔臓器の検索が必須になります。肺癌の細胞は血流に乗って全身へ運ばれる(血行性転移)ため、肝臓・副腎・骨のほか脳も転移巣のできやすい場所です。なかでも脳は、転移巣ができると周囲に脳浮腫(ときに腫瘍内出血)を生じて頭蓋内圧亢進に至り、症状と予後への影響が大きいので、症状がなくても診断時に画像で確認します。造影剤を用いたMRIは小さな脳転移巣をとらえるのに適しており、この目的にかなっています。
| 検査 | 主に見ているもの | 本来の目的 | 遠隔転移の検索になるか |
|---|---|---|---|
| 呼吸機能 | 肺活量・一秒量など肺のはたらき | 換気障害の型の判定・術前に手術へ耐えられるかの評価 | ならない |
| 冠動脈造影 | 冠動脈の狭窄・閉塞 | 虚血性心疾患の診断 | ならない |
| 脳造影MRI | 脳内の病変(転移巣) | 離れた臓器にできた転移巣の検出 | なる |
| 心エコー | 心腔の動き・弁膜・心囊液 | 心機能・弁膜症・心囊液貯留の評価 | 主目的ではない(転移の多い臓器は調べられない) |
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