学習トップ / 理由で解く 臨床医学各論 / 第4章 ▸ D. その他の呼吸器疾患 / Q27H079
理由で解く 臨床医学各論
肺の末梢側(末端側)にできた小さな結節、という部位の情報から、最も可能性が高いのは腺癌です。肺癌の組織型は「どこにできたか」で大きく絞り込めます。
癌(癌腫)は上皮性の悪性腫瘍で、組織学的には扁平上皮癌・腺癌・未分化癌の3つに大別されます。肺癌ではこれを臨床に合わせて腺癌・扁平上皮癌・大細胞癌・小細胞癌の4型に分けて扱い、3分類の未分化癌にあたるのが大細胞癌と小細胞癌(現在のWHO分類では、小細胞癌は神経内分泌腫瘍に分類される)だと考えると両者はつながります(小細胞癌とそれ以外=非小細胞癌とで性質や治療の進め方が大きく異なるため、この4型で覚えます)。腺癌は腺腔(分泌物を出す管の構造)をつくる癌で、肺では気管支末梢が好発部位とされています。一方、扁平上皮癌は気管・気管支の粘膜から発生しやすく(本来は円柱上皮である気管支粘膜が扁平上皮の形質をもつ方向へ癌化する)、肺門側―つまり中枢側の太い気管支にできる傾向があります。本問は「右上肺野の末梢側に2cm大の結節」という部位の情報が決め手で、末梢型でしかも肺癌全体で最も頻度が高い腺癌を選びます。
| 組織型 | できやすい場所 | 特徴 |
|---|---|---|
| 腺癌 | 気管支末梢(末梢側) | 腺腔をつくり粘液を分泌する。肺癌で最も頻度が高い |
| 扁平上皮癌 | 気管・太い気管支(肺門側) | 癌細胞が重層し角化を示す。喫煙との関連が強い |
| 小細胞癌 | 肺門側(中枢側) | 3分類では未分化癌のグループ(現在のWHO分類では神経内分泌腫瘍)。増殖が速く転移しやすい |
| 大細胞癌 | 末梢側が多い | 分化傾向を示さない。占める割合は小さい |
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