学習トップ / 理由で解く 臨床医学各論 / 第7章 ▸ A. 糖代謝異常 / Q27H076
理由で解く 臨床医学各論
同じ症例(50歳男性、口渇・体重減少・下肢の感覚鈍麻、BMI30、空腹時血糖180mg/dl、HbA1c8.9%)をもとに、糖尿病そのものの理解を問う問題です。著しい高血糖は意識障害から昏睡に至るため、急性合併症として昏睡が挙がります。
糖尿病の合併症は「急性」と「慢性」に分けて整理すると迷いません。急性合併症は、血糖の異常が短時間で命に関わる状態をつくるもので、著しい高血糖による糖尿病ケトアシドーシスと高浸透圧高血糖状態が代表です。いずれも強い脱水と意識障害を生じ、進行すれば昏睡になります。治療中に起こる低血糖も、冷汗・動悸・手指振戦などの交感神経症状に続いてけいれん・意識障害・昏睡へ進むため、急性の危険として同じ枠で覚えます。一方、慢性合併症は長期の高血糖が血管を傷めることで起こり、細い血管が傷む細小血管障害(網膜症・腎症・神経障害)と、動脈硬化が進む大血管障害(心筋梗塞・脳梗塞・閉塞性動脈硬化症(末梢動脈疾患:PAD)など)に分かれます。本症例の下肢の感覚鈍麻は、この細小血管障害の側に位置づけられる神経障害です。
| 区分 | 含まれるもの | 成り立ち |
|---|---|---|
| 急性合併症 | 糖尿病ケトアシドーシス、高浸透圧高血糖状態、低血糖 | 血糖の急激な異常。強い脱水や中枢神経のブドウ糖不足により意識障害・昏睡に至る |
| 慢性合併症(細小血管障害) | 網膜症、腎症、神経障害 | 長期の高血糖で細い血管が傷む |
| 慢性合併症(大血管障害) | 心筋梗塞、脳梗塞、閉塞性動脈硬化症(末梢動脈疾患:PAD) | 動脈硬化が促進され、太い血管が詰まる |
| 感染に関する変化 | 易感染(易感染性宿主) | 生体防御機構が低下し、感染しやすく治りにくい |
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