学習トップ理由で解く 臨床医学各論第13章 ▸ I. 心療内科 / Q1500

理由で解く 臨床医学各論

Q1500 その他の領域

出典:あマ指 第20回(2012) 問題87
問題
神経性食思不振症でみられる症状はどれか。
選択肢
1 月経過多
2 下痢
3 抑うつ
4 高体温
解答
正解3(抑うつ)
解説
✗ 1. 誤り
月経過多
神経性食欲不振症(神経性やせ症)では栄養不良と著しい低体重により、視床下部-下垂体-卵巣系の機能が低下し、エストロゲン分泌が減少して無月経となる。月経過多ではなく、むしろ月経が全くこなくなる。無月経は診断基準の一つでもある。
✗ 2. 誤り
下痢
食事摂取量の著しい減少により消化管機能が低下し、腸管運動が緩慢となるため便秘が生じる。下痢ではない。また、低栄養により腸管粘膜の萎縮も起こる。便秘は神経性食欲不振症の典型的な身体症状の一つである。
✓ 3. 正しい
抑うつ
神経性食欲不振症では抑うつ状態がしばしばみられる。やせ願望や肥満恐怖といった精神症状に加え、抑うつ気分、不安、焦燥感、不登校などの精神症状を伴うことが多い。低栄養自体も抑うつ状態を悪化させる要因となる。
✗ 4. 誤り
高体温
神経性食欲不振症では基礎代謝が低下し、体温調節機能が障害されるため低体温となる。高体温ではない。36℃を下回ることもあり、寒がりになる。その他、徐脈、低血圧、産毛増加なども低代謝の徴候である。
ポイント
  • 神経性食欲不振症の身体症状は低栄養・飢餓状態による変化として理解できる。「やせ、肥満、易疲労感、低体温、低血圧、徐脈、脱毛、皮膚乾燥、骨粗鬆症、無月経、便秘」などがある。
  • 精神症状として、やせ願望、肥満恐怖、身体像の歪み(実際はやせているのに太っていると感じる)に加え、抑うつ状態・不安・不登校などを伴うことが多い。活動性の亢進もみられる。
  • 好発年齢は12〜25歳で99%が女性である。長期予後は改善50%、不変25%、悪化25%程度で、飢餓や自殺で死亡する患者が5〜8%ある。
  • 重要用語: 神経性食欲不振症、抑うつ、無月経、低体温、便秘 を正確に理解しておくこと。
比較表
症状 神経性食欲不振症 原因
精神症状 抑うつ、不安、やせ願望 心理社会的要因
月経異常 無月経 エストロゲン低下
消化器症状 便秘 腸管運動低下
体温 低体温 基礎代謝低下
循環器症状 徐脈、低血圧 代謝低下
解説画像
あマ指 第20回(2012) 問題87|神経性食思不振症でみられる症状はどれか。 解説図
あマ指 第20回(2012) 問題87|神経性食思不振症でみられる症状はどれか。
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